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忍者
Ninja(日)

 鎌倉時代から江戸時代(1,185〜1,868)の日本で活動していたとされる傭兵隠密(スパイ)、暗殺者ら。
伊賀甲賀のような忍者集団から個人の忍びまで全国に広く分布しており、普段は農工商の各職業に従事します。
しかしその規模や活動範囲の割に現存する資料に乏しく、現在あるイメージの大半は後年作られたものであり、どこまでが真実の姿かは分かりません。

 忍者は大名や領主などに雇われ、その政治的、軍事的目的を達成するために活用されます。
高い身体能力を持つほか、化学や薬学、心理学やスポーツ科学などにも精通します。
もちろん全ての忍者がそれら全てに精通しているわけではなく、個々の得意分野が存在します。

 欧米ではドラマ『影の軍団(Shadow Warriors)』(1,980〜1,985)が火付け役となり、以降の洋画や洋ゲーなどで忍者がしばしば扱われます。
ゲームでの扱いは主に「戦闘能力を持つ、若干不器用な盗賊」といったところで、ものにより二刀流が可能だったり、投擲武器が扱えたり、クリティカル(稀に大ダメージ)や即死の確率が高く設定されていたりします。


傭兵稼業:
 通常、戦争の際に一時的に雇われる。
奇襲作戦を得意とする他は一般的なそれに同じ。


隠密活動:
 一般人に扮して敵方の情報を集める。よほどの例外を除き、女性忍者(くノ一)はこれに従事(※1)。
敵地に居を定める。職場に入り込む。通行人や虚無僧(※2)、旅芸人(※3)などを装って噂話を集めるなど。
農民の鎌のように一般人が持っていても怪しまれない武器のほか、キセルや笛、杖、扇子などの中に刃や吹き矢を忍ばせた仕込み武器を携行する。
現代でも通用する疲れにくい歩走法実践し、「五車の術(話術)」を主に用いる。
※1身体能力上他の仕事に適していないのもあるが、平民の女性は関所を自由に通れたというのが大きい。
また、女中として敵の屋敷内に潜り込むことが容易だった。
※2グレートヘルムのようなフルフェイスのを被り、頭を丸める必要のない僧侶。
顔を完全に隠すことができ、を取ればそのまま一般人に成りすませる。
また僧侶であるため、関所を自由に通行できた(罪人に悪用されることが多かったため、徳川吉宗によって規制)。
※3芸人は芸を見せることで関所を自由に通ることができた。
また、化粧で顔を隠すことが容易


暗殺稼業
 夜のに紛れ、暗殺や破壊工作などを行う。現在一般にイメージされる忍者のタイプ。
暗い赤茶()や()の装束(※1)を身に纏い、忍者刀(後述)、錐刀(細身の両刃短剣)、苦無(穴掘りにも使える厚手のナイフ)、手裏剣(※2)、撒き菱(※3)などを携行する。
武器以外では、龕燈水松明(※4)といった灯り方位磁針錠前外し、フックつきロープ、カイロなど。
綿入りの足袋で忍び足を行い、「遁術」(※5)を主に用いる。
※1黒よりも夜ので目立ちにくい上、農民の一般的な染物であるため変わり身が容易
一般に鎖帷子を下に着込んだ姿でイメージされるが、動きが鈍る上に音の原因にもなり得るので装備しないことが多い。
※2棒状、十字などの形状を持つ投げナイフの一種。
重く邪魔になるので通常は1枚、多くても3〜4枚までを携行し、逃げる際に追っ手をひるませるのに用いる。
普段は拾った石などを投げつけるが、それができない時用の最終手段。
※3乾燥させた菱の実。どう置いても上にトゲが来る形状をしており、追っ手の足を止めるのに用いる。
一般に鉄製のものがイメージされるが、菱の実の方が簡単に作れて軽く持ち運びやすい上、非常食としても利用できる。
※4龕燈とはジャイロスコープ仕掛けの燭台のことで、どのような向きでも使用できる灯り懐中電灯
水松明とは火薬を用いた松明で、水の中でも火が消えない。
※5遁走(逃げる)術のこと。
発火物や煙を炊くなどする「火遁の術」、水の中に身を隠すなどの「水遁の術」、地面に伏せたり、土砂を投げつける「土遁の術」、草木に身を隠したり、立てかけてある材木を倒すなどの「木遁の術」、お金を撒いて敵を足止めする「金遁の術」の5つを指して「五遁」と呼ぶ。


忍者刀
 忍刀忍び刀とも。
一般に知られるところでは、「四角く大きめのを持つ、艶消しをした反りのない長脇差(54.5〜60.6cm)」で、「金属の尖端をつけた、つきの」に収まっているとされます。
四角いと金属の尖端に立てかける時に用い、このを足がかりとしてを越えた後にで回収するとされます。
尖端は取り外し可能で、筒となったそれをシュノーケル代わりとして前述の「水遁の術」に用いたとされます。

 しかし現存する忍者刀のほとんどは後世に作られたもので、そのような特徴的なを作製、所持することは忍者だと公言しているようなものであり、またシュノーケルに用いるにしてもその長さでは呼吸は難しいなど、色々と疑問を孕んでいます。
実在する記述では「折れにくく作られた太く幅広の脇差(30.3〜60.6)」とだけあり、これならば普段所持していても怪しまれることはなく、四角い鍔と紐と金属の尖端さえ用意、換装すれば、先述の用途にも利用可能となります。

 この忍者刀は背中に装備するというイメージがありますが、これは屋根裏などに潜入する際に邪魔にならないようにするための措置であり、普段は腰に装備し、その際太刀と同じ要領で刃を下にするとされます。
この刃を下にする理由、および頑丈にする理由については恐らく利き手とは逆の方の手で逆手で抜き、パリーイングダガー(受け流しの短剣)として用いるためではないかと考えられます。
忍者は忍者刀以外にも先述の「錐刀」という短剣携行していますが、恐らくはこの錐刀を利き手に装備し、忍者刀を盾とする二刀スタイルで戦ったものと考えられます。