[トップ][もどる]
タバコ/煙草
Tobacco(英)/Tabac(仏)/Tabacco(伊)/Tabak(独)/Tabaco(スペイン)/Tabaco(ポルトガル)

 ナス科タバコ属の植物、およびその葉を加工した嗜好品。
最もポピュラーなのはニコチアナ・タバカムという種で、南米アンデス山脈の中程に自生していたニコチアナ・トメントシフォルミスとニコチアナ・シルベストリスの間に生まれたと考えられています。

 紀元前1,400年頃のメキシコ南東部はユカタン半島のマヤ文明にて既に栽培、紀元前10世紀には同地域にて喫煙が行われていたと見られています。
タバコには鎮痛作用があるため、当時は歯の傷み止めなどの医療行為のほか、宗教儀式などにも使われていました。

 これが1,559年にスペインに伝わり、その後1,575年にはフィリピンを経由しアジア全土に。日本には1,600年頃に伝来(史料により大きく前後)。
1,630年にはアフリカにも持ち込まれるなど、瞬く間に世界中へと広まっていきました。
当初はスペインが葉巻、その他がパイプ(/キセル)といった利用法が主でしたが、その後は流行により変動。
1,822年にディッピングタバコ(アメリカ)、1,828年に紙巻きタバコが登場して以降はこれらが主流となっています。

 語源はカリブ海で話されていた「タイノ語(Taíno)」とする説が有力。
アラビア語によく似た発音の語があるためこちらも説に挙げられますが、意味も来歴も関係がないためただの偶然とされてます。

主な使用法:
種類発祥時期と地域概要
無
煙
タ
バ
コ
噛みタバコ
Chewing Tobacco
マヤ文明期タバコの葉をそのまま、ないし石灰などに混ぜたものを咀嚼する方法。
タバコ入りのガムといった感じだが、唾液も吐き出さなくてはならない点に注意。
近年の禁煙ガムなどは毒性が弱いので大丈夫。
嗅ぎタバコ
Snuff
マヤ文明期乾燥させ粉末状にした葉を鼻から吸引する方法。
スヌース
Snus(スウェーデン)
19世紀
スウェーデン
17世紀にスウェーデンに伝わった嗅ぎタバコ、およびそれを50%以上まで湿らせたもの。下記は後者について説明。
フレーバーなどを混ぜたそれを上唇と歯茎の間に置いて使用する。袋に入ったポーションタイプも。
この方法では意識しない限りあまり唾液は出ないので、唾は飲み込んでも問題ないとされる。
ディッピングタバコ
Dipping Tobacco
1,822年
アメリカ
ほぼスヌースと同じもので、下唇と歯茎の間に置いで使用する。唾液は吐き出さなければならない。
アメリカにおいて代表的なタバコ。
電子タバコ
Electronic Cigarette
1,965年(特許)
アメリカ
タバコの成分、ないし風味のみで作られた溶液を電熱線で加熱し、霧状になった成分を吸引する方法。
加熱式タバコ
Heated Tobacco
1,988年
アメリカ
葉を燃焼させない範囲で加熱することで成分を蒸気として抽出する方法。
有
煙
タ
バ
コ
葉巻
Cigar
マヤ文明期タバコの葉を巻いて筒状にしたものの一端に火を点け、もう一方の端から煙を吸う方法。
毒性が強いので、煙を肺に入れない「口腔喫煙」で行う。この行為を「ふかす」という。
紙巻きタバコ
Cigarette
マヤ文明期
(トウモロコシ)
1,828年
スペイン(紙)
刻んだ葉をタバコやその他の葉、ないし紙に巻いて葉巻と同様に吸う方法。紙タイプは現在の主流。
こちらも元は口腔喫煙だったが、1,970年代に有毒性が指摘されて以降に登場した低タールタイプにおいては味が薄いという理由から肺喫煙に。
しかしそのせいでかえって有害となり、現在紙巻きタバコは群を抜いて危険度が高い。
パイプ
Pipe Tobacco
7世紀頃
マヤ
アルプホルンを小さくしたような器具の受け皿側に刻んだ葉を入れ燃焼させ、吸い口から口腔喫煙を行う方法。
一度の喫煙に1時間くらいの時間がかかるため、お金がかからない上健康被害も少ない。
しかしパイプ自体が高いため初期費用はそれなりにかかり、コレクション性も高いため集めだすと散財となる。
煙管(キセル)
Khsier(カンボジア)
1,575〜
1,603年
カンボジア
パイプを細長くしたような器具。刻んだ葉だけでなく紙巻きタバコを挿して使うこともできる。
パイプに似ているが燃焼時間は極めて短く、短時間で充分な満足度が得られる反面毒性も高い。
カンボジアの煙管「Khsier」が1,603年に日本に伝来したとする説が一般的。
一方でそれ以前にポルトガルから伝来、カンボジアに伝わったとする説もあり、この場合の語源は「吸う/ちびちび飲む」を意味する」「Que Sorver(ポルトガル)」とされる。
水タバコ
Hookah
(ヒンドゥスターニー)
1,560年代
ペルシア
ペルシアで発明されたと考えられている喫煙具。
タバコが伝わった時期および最古の証拠は1,560年代となるが、語自体は少なくとも1,535年に既にあり、伝来以前は大麻など別のものが使われていた可能性が指摘されている。
水タバコはタバコの葉に各種フレーバーを混ぜて蜜などで固めたものに熱した炭を乗せ、生じた煙を一度水にくぐらせてから喫煙する。
水に通すこと、一度の喫煙に時間がかかることなどから毒性が低いと考えられていたが、主に熱した炭から発せられる一酸化炭素による危険性が高いことが分かり、現在では規制の方向にある。