[トップ][もどる]
時代区分
Periodization(英)/Périodisation(仏)/Periodizzazione(伊)/Periodisierung(独)

 人類の歴史を、同種の特徴を持つブロックごとに分割したもの。
国家成立以降は巨大国家の興亡や政治形態の変化、それ以前では技術レベルや生活形態を判断基準としているものが現在の主流。

 時代区分の判断は国や地域ごとに行われ、例えば今なお原始古代にある地域も存在します。
また他所から文化が流入するなどで途中の区分を飛ばす例もあるため、あらゆる国や地域が下記の順番通りに移行するわけではありません(例えば日本は青銅器時代と鉄器時代が同時に訪れる)。

人類の進歩を主体とした簡易版(日本の対応表付き):
時代区分特徴概要日本の場合
原始(時代)
Primitive Age
知恵の獲得国家が存在しなかった時代。
道具の使用は認められるものの、文字などの文化は存在しない。
旧石器時代
縄文時代
弥生時代
古代
Antiquity
国家の形成言語や文字が生まれ急速に文明が発展。
しかし文字の使用は限定的で、多くの歴史は口述で伝えられる。
それにより多くの神話や伝承が生まれた時代。
古墳時代
飛鳥時代
中世
Middle Ages
Medieval
Period
神の時代何らかの理由で古代国家が衰退。
それまでに培われた宗教観による戒律が実質的な法として人々を支配した時代。
奈良時代
平安時代
鎌倉時代
室町時代
近世
Early Modern
Period
王の時代何らかの理由により宗教が弱体化し、法が戒律から王に移った時代。安土桃山時代
江戸時代
近代
Late Modern
Period
市民の時代政治の主権が王から市民に移った時代。明治時代
大正時代
昭和時代(戦前)
現代
Contemporary
Period
今の時代文化、戦争形態、社会体制などが今現在と同種となったとされる以降の時代。昭和時代(戦後)
平成時代


史実のヨーロッパを主体とした詳細版
先史時代
Prehistory
人類が人としての知恵を獲得するものの、文字などが存在せずその記録が残っていない時代。
時代区分特徴概要
原始(時代)
Primitive Age
(木器時代)
Wooden Age
道具の発明石や骨ではなく木を加工して武器や道具を作っていた時代。
ただし2,016年現在で木器単独の文化は確認されていない
前期旧石器時代
Lower Paleolithic
移動漁猟時代石や骨を加工して武器や道具を作っていた時代。
うち、単に尖らせた石(礫器)を握って殴るといった原始的な時代。
の発明
中期旧石器時代
Middle Paleolithic
黒曜石などのガラス質の石を鋭利に加工した剥片石器が使われた時代。
後期旧石器時代
Upper Paleolithic
定住漁猟時代釣り針の作製など、石器に高度な加工が行われるようになった時代。
その他には投石の発明、犬の家畜化など。
急速に勢力を伸ばしたホモ・サピエンスが他の人類を淘汰した時代。
これらはホモ・サピエンスが言語を獲得したことがきっかけとする説が。
(中石器時代)
Mesolithic
(亜旧石器時代)
Epipaleolithic
矢じりなどの小さな刃物(細石器)を加工していた時代。土器の使用。
通常、後期旧石器時代に含まれる
新石器時代
Neolithic
農耕の時代農耕畜産が始まり、石器で作業を行っていた時代。
石を磨いて鋭利にした、磨製石器が登場。陶器を開発。
(銅器時代
/金石併用時代)
Chalcolithic
自然銅を叩いて加工していた時代。
本格的な道具の作成には至らず、そちらは石器が継続使用。
よって通常は新石器時代に含まれる
原史時代
Protohistory
文字などの記録手段を確立するものの、範囲や管理が不充分で不明瞭な時代。
多くの歴史や文化は口述で伝えられ、変化・誇張されたそれが後年に記録される神話と伝承の時代。
時代区分特徴概要
古代
Antiquity
青銅器時代
Bronze Age
文明の成立自然銅を熔かし加工する技術の登場。
が混じった状態(青銅)だとこの時代のでも熔け、それでいてを叩いて加工するだけよりも遥かに高い強度を持つ。
この段階で同時に文字を発明し、国家を形成する文明も多い。
鉄器時代
Iron Age
古代国家形成金属精製技術が向上し、青銅に代わりが主要素材となった時代。
歴史時代(有史時代)
Recorded History
歴史が文献として現在に伝わっている時代。
時代区分特徴概要
中世
Middle Ages
Medieval
Period
中世前期
Early Middle Ages
Early Medieval
Period
民族移動時代ヨーロッパにおいては西ローマ帝国の滅亡(480〜)以降の時代。
古代帝国が衰退し、(封建制を持った)新しい国家が生まれることが1つの目安。
前期はその衰退における混乱の時代で、北欧のバイキングを中心とする民族大移動が起こり、ヨーロッパにおいてはキリスト教が広範に広がるきっかけとなった。
中世盛期
High Middle Ages
High Medieval
Period
異教討伐時代およそ1,001〜1,300年と定義。
民族移動が終わり、安定した国家が生まれ人口が増加していった時代。
キリスト教が権力を拡大し、十字軍遠征(1,095〜1,272)が盛んに行われた。
中世後期
Late Middle Ages
Late Medieval
Period
混沌の時代およそ1,300〜1,500年と定義。
1,300〜1,350年に訪れた小氷期による飢饉疫病蔓延でそれまでの繁栄に陰りが生じ、人口が急激に減少していった時代。
民衆の信心は薄れキリスト教会の支配力が弱まり、結果として科学などの技術が発展することにも繋がった。
近世
Modern Period
近世前期
Early Modern
Period
王の時代イタリアのルネサンス(1,347〜1,563)、大航海時代(1,415〜)、東ローマ帝国の滅亡(〜1,453)、宗教改革(1,517〜)以降の時代。
ルネサンスを中世後期と近世前期のどちらに含めるかは論者による。
共通するのはキリスト教支配時代の終焉(後述)。
近世後期(近代)
Late Modern
Period
市民の時代産業革命(1,769〜)、アメリカ独立戦争(1,775〜)、フランス革命(1,789)以降の時代。
共通するのは政治や社会の主導権が市民に移ったこと(民主主義化)。
現代
Contemporary
Period
(近現代)
Recent Period)
少し前の時代文化、戦争形態、社会体制などが今現在と同種となったとされる以降の時代。
2,016年現在で第二次世界大戦(1,939〜1,945)を境とすることが多い。
現代
Contemporary
Period
今の時代戦後と今現在とでは文化その他が異なってきたことによる分割。
冷戦終結(1,989)、ソ連の崩壊(1,991)、ベルリンの壁崩壊(1,989)、昭和の終わり(1,989)などを境とされる。
ルネサンス古代(ギリシア、ローマ)の文化を復興しようとする運動。
北欧蛮族によって広められ、異教と科学を徹底排除したことにより訪れたキリスト教支配による中世暗黒時代(後述)を改めようとするもの。
東ローマ帝国古代ローマ時代末期に流入したキリスト教に特化した、ギリシア人による続ローマ帝国の東側。
宗教改革カトリック教会の衰退堕落、そこから来る民衆の不信感などから始まった運動。
これによりカトリックからプロテスタントが分離する。
 
暗黒時代1.史料に乏しく不明瞭な時代(=原史時代)。特に紀元前1,200〜紀元前700頃のギリシア。
2.文明の停滞期。特にキリスト教支配時代のヨーロッパ(=中世)。中世暗黒時代。
特に断りがなければ2.の意味で用いられる。