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封建制
Feudalism(英)/Féodalité(仏)/Feudalesimo(伊)/Feudalismus(独)

 かつて存在した土地の管理制度およびそれに付随する義務等。
西洋と東洋でそれぞれ似た制度が存在し、西洋のそれの訳語として同じ語が充てられていますが、両者には様々な違いがあります。詳細は下表参照。
また下表には、封建制に関連する他の制度についても記載してあります。

制度発祥概要
従士制北欧(古ゲルマン)
遅くとも4世紀
戦士としての義務を果たす代わりに、食料や武器などの支援を得られる制度。
志願兵が給与を得るようなもの。傭兵
恩貸地制古代ローマ帝国
末期(〜476年)
自身の土地を領主に寄進し、その土地を有料で借り受けることで保護の契約を得る制度。
後に、元々土地を持たない領民も浮いた土地を領主から借り受けるようになっていく。
封建制(西洋)西ヨーロッパ
8〜9世紀
領主から土地を借り受けることで年貢戦役などの義務を負う一方、領主はその土地を保護する制度。
上記従士制恩貸地制を組み合わせて成立したとされる。

契約は直属の領主と領民の個人間でのみ行われ、契約違反があればいつでもどちらからでも契約を破棄することが可能。
戦役は年間何日などと決まっており、それが過ぎれば例え戦の最中でも戦線を離れることが許された。
複数の主と契約していてそれらが戦争を行った場合は、極端な例では午前と午後で参加する陣営鞍替えするということも行われた。

アルバイトのような関係。
荘園(西洋)領主、自由農民、農奴らが自らの財産として所有する土地。
領主の荘園(直轄領)で得られた生産物は全て領主のものとなる。
自由農民の荘園で得られた生産物も本人のものとなるが、課税される場合もある。
農奴荘園で得られた生産物も本人のものとなるが、土地保有を認められる代わりとして課税と労働の義務が生じる。
封建制(日本)鎌倉
935年
土地の支配権を認めてもらう代わりに、年貢戦役などの義務を負う制度。

契約は家単位で行われ、領主の主もまた主と見なす。複数の主に仕えることはできない。
当初は契約違反があれば破棄することができたが、江戸時代以降では原則として主の命には絶対服従。結果として他所の土地に移転することもできない。
土地を所有している間は永続的に戦役が発生し、戦線離脱することなど許されない。

正社員のような関係。
荘園(日本)奈良
743年
個人が自由財産として所有する土地。
墾田永年私財法により発生。年貢が必要かどうかは時代による。