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赤金
Copper(英)/Cuivre(仏)/Rame(伊)/Kupfer(独)

 人類に古くから利用されている金属の1つ。現存する最古の加工品で紀元前8,700年のイラク北部のもの。
錆びやすく埋蔵量が多いため卑金属として扱われますが、と同じ族の元素で外観の美しさや性質などが似ていることから、アクセサリー加工の分野などでは貴金属相当として扱われます。
加工も容易で、しかしそれらよりは強度もあることから、石器に代わって農具や狩猟道具の素材として利用されていきました。

 紀元前6,000年頃から世界各地で銅を熔かす技術が確立されていき、これにより強度を高められた銅合金は通貨や武器、装飾品や宗教道具など、様々な形状に加工され利用の幅が広がりました。
との合金である青銅がその代表例で、特にこれは自然銅をそのまま熔かすだけで得られるという利点もありました。
しかしこれはが産出される地域だけに限られ、本格的な銅の採掘や強度を高める目的での砒素添加などは中毒という新たな問題を人類にもたらしました。

 この銅を熔かす炉を発展させをも溶融できるようになって以降は武器や生活用具などはそちらに譲ることになりますが、見た目の美しさから上記その他の用途ではその後も使われ続けます。
に並び導電性が高いことから、現在では安価な導電性素材としても用いられます。

 英語の「Copper」その他は「Aes Cyprium((主要産地である)キプロス島の銅)」の「キプロス」部分が語源。
イタリア語「Rame」は「Aes(銅)」および「Aeris(青銅)」に接尾辞「-men」がついた後期ラテン語「Aerāmen(銅/青銅)」の汚い言い方「Arame」より。
日本語および中国語の「」は「穴を開け貫くこと」を意味する「同」(※)、それが容易な金属であることから。
「同」は「筒」を簡略化したもの。
同語源に加工しやすい木の「桐」。水に浸食されでできた「」など。
「洞」は「見通す」を意味する「洞察」、「貫き通す」を意味する「洞徹」などにも。

名称銅+摘要
青銅=2〜35%銅を主体(50%以上)としてを含む合金。
50:50でも青銅とされる場合もあり、亜鉛などその他の成分がの割合を超える例も。
より広義では銅合金全般を指す。汎用。
丹銅(/真鍮)亜鉛=3〜20%真鍮の一種。赤い(丹)ため黄銅とは別にされる。
加工しやすく、純銅と比べて耐蝕性に優れる。装飾品や楽器などに。
黄銅真鍮
貧者
亜鉛=20〜45%亜鉛40%で黄金に近い色になり、宗教道具や装飾のほか、撮影などで製品の代わりとして。
亜鉛の割合が45%以上になると極端に脆くなり実用性がなくなる。
洋銀洋白
(/ニッケル黄銅)
亜鉛=10〜30%
ニッケル=5〜30%
に近い色になるので、銀食器などそれの代わりに。比較的加工が容易で強度と耐蝕性もそれなりに。
五百円ニッケル黄銅貨(2,000〜2,020年)が銅72%、亜鉛20%、ニッケル8%の洋銀貨
白銅ニッケル=10〜30%に近い色になるのでその代わりに使われるほか、耐海水部品や銃器の薬莢などに。
百円白銅貨(1,967年〜)が銅75%、ニッケル25%でそれまでの百円銀貨の代わりとして。
また五百円白銅貨(1,982〜1999年)も同成分。
赤銅
紫金烏金
金=3〜5%黒味がかった銅合金。仏具などに。
日焼けした肌を指す「赤銅色」はこれに由来。