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青銅 Bronze(英)/Bronze(仏)/Bronzo(伊)/Bronze(独) |
銅を主体として、
錫を含む合金。広義で銅合金全般を指すことも。
通常、
錫の割合が2〜35%程度のものを言いますが、歴史的には50%のものまで存在します。
錫以外の金属(主に
鉛、
亜鉛)が含まれている場合もあり、それらが
錫の割合を超えることもあります。
身近な青銅に10円
硬貨がありますが、これの成分比は
錫1〜2%、
亜鉛3〜4%となっています。
青銅は紀元前3,500年頃のメソポタミア南部地方のシュメール(現在のイラク南部)で発明されました。
それまで使われていた
銅よりも強く
耐蝕性があり、それでいて
融点が低く加工しやすいのが魅力です。
青銅は当初
鋳造での加工が主で、日用品や
装飾品、
祭具などを作るのに用いられていました。
後に
研磨を行い武具や農具も作製されるようになっていきましたが思うほど
鋭利にはならず、刃物というより鈍器に近いものでした。
やがて
精錬技術の向上によって青銅より強く軽く
鋭利にできる
鉄が加工できるようになると、その役割は
鉄に取って代わられていきました。
青銅はその名前や
銅鏡などの青銅器のイメージから青緑色と思われがちですが、それは
緑青という
銅の
錆がそのような色であるだけで、
錆びていない状態では
錫の含有量によって、
赤銅色、
黄金色、
銀白色などの色となります(下表参照)。
青銅という名は一般に
緑青の色に由来すると言われますが、
青金(
錫)との合金であること、
錫の次に多く含むことの多い
鉛が青色であること(
鉛も
青金と呼ばれることがあります)、それにより青銅が青味を帯びることがあるなども理由として考えられています。
錫 | 色 | 特性 | 用途 |
3% | ≒10円玉 | 延性が最大(柔らかい) | 中国から日本に伝わった青銅。主に美術用途。「唐金」。 |
10% | ≒5円玉 | 強度が最大 | 頑丈で色味も良いため、武器、大砲の弾、祭事用の鏡など多岐。「砲金」。 |
17% | ≒500円玉 | 硬度が最大(脆い) | 音響が良いので寺院の鐘に。「鐘銅」。 |
23% | ≒100円玉 | 融点が低い | 一般的な銅鏡、仏具、食器など。「白銅(※)」「響銅/砂張/佐波理」。 |
※ | 歴史的な呼び名。 ニッケルを10%〜30%含む銅合金も現在「白銅」と呼ばれますが、これらは全くの別物。 |