[トップ][もどる]
アスタロト
Astaroth(仏英伊独)

 シュメール神話の女神イナンナを起源とする悪魔
地獄の4大実力者(※)」「地獄の大公爵(※)」「恐怖公(※)」などと呼ばれます。
ドラゴンにまたがり、右手に毒蛇を持ち、黒衣をまとった男の姿で現れ、人間に過去、現在、未来についての正しい答えを与えるとされます。
正しくは
「4 Princes of Hell
「Grand Duke of Hell 
「The Terrible Duke

(地獄の4公)」
(地獄の大公)」
(恐怖公爵)」
>>参考

イナンナ(Inanna)
 ウル第3王朝時代(紀元前2,113)〜イシン第1王朝時代(紀元前1,924頃)のシュメールで信仰されていた女神。
雨と嵐と金星を司る、性愛と戦争の女神。

イシュタル(Ishtar)
 イナンナのバビロニア(紀元前1,894〜紀元前539)での呼称。
他の神話の女神との習合が見られるものの、ほぼイナンナと同一。


アスタルテ/アスタルト/アシタロテ(Astarte)
 フェニキア(紀元前15世紀〜紀元前8世紀)のビブロス、シリア、カナンなどで崇拝された女神。
イナンナを主とし、ギリシア神話の美の女神アフロディテなど他の神話の女神を習合したもの。
アスタロトの語源。

 紀元前1,300年頃にイスラエル人がカナンを侵攻し、アスタルテはソロモン王によって容認されます。
しかし後にヨシュア王(紀元前639〜紀元前609)がアスタルテを悪魔と定め、宗教弾圧が行われました。

アシュタルト/アシュタルテ(Ashtart)
 フェニキアのアスタルテが、18王朝時代(紀元前1,570年頃〜紀元前1,293年頃)にエジプトに伝来したもの。
ライオンの頭を持つ戦女神で、戦車を操ります。

アシュトレト/アストレト(Ashtoreth)
 アシュタルトのユダヤ人の呼称。


アシュタルテ
アシュタロス
アシュトレト
アシュタロス
(Astharthe(聖書単))
(Astharoth(聖書複))
(Ashtoreth(単))
(Ashtaroth(複))



 ミルトン著『失楽園(Paradise Lost)』(1,667)に記されたアスタルテ。
ここでは悪魔として扱われており、男女どちらの性にもなれるとされます。
『失楽園』は、旧約聖書の『創世記』を元にした叙事詩

アスタロト(Astaroth)
 コラン・ド・プランシー著『地獄の辞典』に登場する悪魔
ここで完全に男性とされ、その他の特徴については冒頭で記述した通り。