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粉塵爆発
Dust Explosion(英)/Explosion de Poussières(仏)/Esplosione di Polveri(伊)/Staubexplosion(独)

 可燃性粉塵が空中に充満している状態で着火することで、瞬間的に燃焼が連鎖し爆発が起こる現象。
炭鉱内で起こる爆発事故は主にこれが原因で、特に炭塵爆発と呼ばれます。
炭塵以外で起こる例としては小麦粉などの穀物粉、工場の金属粉など。

 粉塵爆発火薬が手に入らない状況下で手軽に起こせる代替爆薬として創作物で人気が高く、特に中世ファンタジー風作品では火薬は存在しないか、あってもオーバーテクノロジーである場合が多いので、魔法以外で爆発を引き起こす手段として重宝されます。
しかしこれにはいくつか問題もあるので、登場させる場合はそれらを踏まえておく必要があります。

1.目の粗いものでは×。
 同じ物質でも粉末化した方が燃えやすいことからも分かるように、粉塵爆発には粒子の細かさ=合計の表面積の大きさが重要になります。
手に入りやすい可燃性粉塵ということで小麦粉が多用されますが、目の細かいそれが作れない文明レベル、作れても特別な品として存在する場合などは注意が必要です。

2.意図的に起こすのは難しい。
 空気中に散布する粉塵の濃度が薄いと、粒子と粒子の間隔が遠くなり連鎖的に燃焼が広がりません。
逆に濃度が濃いと必要な酸素が足りなくなり、この場合もまた燃焼が広がりません。
このように意図的に起こすのは非常に難しいため、素人が思いつきで成功させるというのは無理があると思ってください。

3.火力自体は低い。
 例えば小麦粉の場合普通に燃やしても大した燃え方にはならないことからも分かるように、爆発は起こせても火傷延焼といったものに必要な熱エネルギーは持ち合わせていません。
部屋に押し入ってきた敵を吹き飛ばす、運が悪ければ頭を打つなどして死ぬ場合もありますが、部屋自体が火の海になったり敵がだるまになったりというのは、他に可燃性の何かでもない限りはそう起こりません。