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ゲヘナ/ジャハンナム/火の池/地獄 Gehenna(英)/Géhenne(仏)/Geenna(伊)/Gehinnom(独)/Γέεννα(古希)/جهنم(アラビア) |
ユダヤ教、
キリスト教、
イスラム教の聖地エルサレムより南方にある谷。
ユダ王国はアハズ〜マナセ王統治時代(紀元前735〜紀元前642頃)にバアル神への
生贄として子供たちが焼かれた場所で、ヨシヤ王(紀元前640〜紀元前609)が禁止して以降はゴミや死体を焼却処分する場所として常に火が焚かれていました。
語はヘブライ語で「ヒンノム(の息子)の谷」を意味する「ゲー(・ベネー)・ヒンノーム(
גיא בן הינום)」を由来とするギリシア語「ゲエンナ(
Γέεννα)」より。
転じてゲヘナは一般に「地獄」と訳され、死者の赴く場所として現在認識されますが、具体的にどのような場所かは下表参照。
| 摘要 |
ユダヤ教 | 最大1年の間安息日を除き焼き続けられる場所で、それにより浄化された魂は天国に昇るとされる。 キリスト教(カトリック)の「煉獄」に相当。 |
キリスト教 | 消えない火が燃え続ける池。 一般に「地獄」というと「Hell」が想起されるが、こちらは正しくは「陰府/黄泉」。
「業火」のイメージの強い語「Inferno」もこの「Hell」にあたる。下記参照。
陰府= | Hell(ヘル)(英)/Inferno(インフェルノ)(伊)/Ἅιδης(Hades、ハデス)(古希)/שְׁאוֹל(Sheol、シェオル)(ヘブライ) |
地獄= | Γέεννα(Gehenna、ゲヘナ)(古希) | ただしキング・ジェームズ版『欽定訳聖書』(1,611年イギリス)ではハデスもゲヘナも「Hell」と訳される。
また『新約聖書』「ヨハネの黙示録」では「ハデスがゲヘナに投げ込まれた」と記述があり、これの解釈が以下のように多数。
・ | ハデス(状態としての「死」、=「死者」)が投げ込まれる場所。 |
| →永遠に焼かれる。あるいは最後の審判の折に赦される。 |
・ | ハデス(「死界の王(擬人化された神性)」)が投げ込まれた場所。 |
| →死の具現化(不死身)や死者をも滅ぼす「第二の死」を与える場所。 |
・ | ハデス(「場所」としての地獄=「陰府」)を投げ込んだ場所。 |
| →矛盾。「両者(HellとGehenna)は別の場所」とする裏づけ程度に。 | |
イスラム教 | =同教における地獄。「ジャハンナム」。 |