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魔法
Magic(英)/Magie(仏)/Magia(伊)/Magie(独)

Magery(英)

 古代の宗教家が人心を惹きつけるために行った派手なパフォーマンス。
すなわち現在の「マジック(手品)」に通じるものですが当時はタネがあるものと見られておらず、一部の者のみが行使できる特別な御業として認識されます。
またタネがあるもの以外でも、例えば雨乞いの儀式などもこのMagicに含まれます。

 「宗教家」が「それっぽい雰囲気」を出すため儀式魔法で神と交信するという手法が多く、そのための供物として生贄が用いられることも珍しくありませんでした。
用いる生贄は主に動物や奴隷で、その儀式の重要度に応じて貴重な生贄を捧げます。
しかし旧約聖書の『創世記』22章「イサクの燔祭」(※)の話が広まるにつれ、生贄非難され衰退していくことになります。
神が求めたら息子さえも生贄に捧げるのかを試す話。
その解釈は様々で、「当時問題視されていた生贄の風習を諌めるために作られた話」「実は神の名を騙った悪魔にそそのかされかけた話」など。

 また、「神の真の名」を用いることで魔法の力が高められると考えられています。
これはユダヤ教において神の名が一般には秘匿されたり、中世の悪魔儀式において「悪魔の名前を知るとそれを支配でき、逆に知られると支配される」という考えに繋がっていると考えられます。


 語「Magic」は「魔法」を意味する一般名詞としても広く用いられますが、現在一般にイメージされる「魔法」はゲームでよく見られるような、「魔力と呪文を用いて超自然的な現象を起こす技術」であり上記とは剥離します。
また前述の通り「手品」の意味でもありますので、これらを区別する際は「Magery」の語が用いられます(「Mage+-ery」で「メイジの技術」の意)。