小麦 Wheat(英)/Blé(仏)/Frumento(伊)/Weizen(独) 小麦粉 (Wheat )Flour(英)/Farine( de Blé)(仏)/Farina( di Frumento)(伊)/(Weizen)mehl(独) ※各外国語は「(小麦の)穀物粉」の意。単に「穀物粉」で通常「小麦粉」を指す。 大麦 Barley(英)/Orge(仏)/Orzo(伊)/Gerste(独) ライ麦/黒麦/夏小麦 Rye(英)/Seigle(仏)/Segale(伊)/Roggen(独) 燕麦/オート麦/オーツ麦/マカラス麦(/カラス麦) Oat(英)/Avoine(仏)/Avena Sativa(伊)/Saat-Hafer(独) |
植物的外観 | 栽培 | 穀物的特徴 | 主な用途 | |
小麦 | 穂に生えているヒゲが短い 葉が細長い | 湿潤を好む 乾燥でも可 | 粘り気(グルテン)が多い ほとんど水を吸わない (水溶性食物繊維がほぼ皆無) 他の麦と比べ栄養は少ない | 白パン、ふすまパン、麺類、粉物、菓子、麩 |
大麦 | 穂に生えているヒゲが長い 葉が幅広で短い | 寒冷を好む 乾燥を好む 湿潤でも可 塩害に強い | 粘り気が少ない 吸水性が高い 裸麦を除き種子と籾殻が癒着 | 粥、大麦パン、ビール、ウィスキー、焼酎、麦茶、麦味噌、水飴、麦飯、飼料 |
ライ麦 | 小麦に似るが種子が細長い 小麦の近縁で交雑も可能 | 寒冷を好む 痩せ地でも可 酸に耐性 | 粘り気がないが 膨らむ性質(グリアジン)は持つ 麦角菌に侵されやすい | 黒パン、ウィスキー、ウォッカ |
燕麦 | 遠目のシルエットは笹に近い 洗濯ばさみに似た形の穂 | 冷涼を好む | 粘り気がない | 飼料、粥(オートミール)、乾パン(小麦と混ぜて) |
グルテン含有量 | 主な用途 | 補記 | |
強力粉 (パン用粉) | 11.5%〜13.0% | パン、パスタ、麩 | 原料となる小麦の品種により決まっている。 硬質小麦は強力粉と準強力粉に。 中間質小麦(軟質小麦に大分される場合も)は中力粉に。 軟質小麦は薄力粉に。 厳密にはグルテンの量だけでなく、その性質やタンパク質の分子の大きさなども見て分類される。 |
準強力粉 (フランスパン用粉) | 10.5%〜12.5% | フランスパン、ピザ、中華麺 | |
中力粉 (うどん粉) | 7.5%〜10.5% | うどん、そうめん、ひやむぎ、餃子 | |
薄力粉 | 6.5%〜 9.0% | 菓子、粉物、天ぷら | |
一等小麦 (メリケン粉(※)) | (問わない) | 白パン、菓子 | 挽いた小麦をふるいにかけた、粒子の細かい白い小麦粉が一等小麦。かつての貴族用。栄養価が低い。 ふるいを通らなかった粗い小麦粉と、ふすま(外皮と胚芽)の混合物が二等小麦。かつての庶民用。栄養価が高い。 |
二等小麦 | ふすまパン |
※ | 明治中期から輸入が開始されたアメリカの小麦粉のことで、国産の小麦粉(うどん粉)と区別するために作られた言葉。 パン食が伝わるも、当時の日本の製粉技術による粗いふすま入りのうどん粉ではうまく作れなかったために輸入が開始されました。 元々パン用ということで強力粉、汎用かつうどん粉に対する言葉ということで中力粉、大阪の粉物に多用されたことで薄力粉など様々な推測がありますが、当時の資料がないためいずれか特定の種類なのか、用途により複数種を使い分けていたのか実際のところは分かりません。 ただ言えるのはアメリカで生産されているのは強力粉、準強力粉、薄力粉の3種であり、ゆえに中力粉説はありません。 近年のそれらの輸入割合は6:2:5〜6:3:2といったところで、かなり変動はありますが強力粉が常に一番多くなっています。 |
特徴 | 主な用途 | 補記 | |
二条大麦 (大粒大麦) (ビール麦) | 1房に2列の穂 粒が大きい | ビール、ウィスキー、焼酎、大麦パン | 大麦の原種で、ヨーロッパの主流品種。 粒が大きく揃っているので酒造に向いている。 |
四条大麦 | 1房に4列の穂 | 品種ではなく亜種。中国に。 | |
六条大麦 (小粒大麦) | 1房に6列の穂 粒が小さい(米程度) | 麦飯、麦茶、麺類、水飴 | 6列実るので収穫量が多い。 よって主食として用いるのに向いている。 |
裸麦 | 皮が癒着していない | 麦飯、麦味噌 | 六条大麦から変異。脱穀しやすい。 交雑により二条種版も一応あるが、ほとんど生産されない。 |
もち麦 | もちもちしている | 麦飯、団子 | もち性の裸麦。 うるち性の大麦が米の代替なら、こちらはもち米の代替。 |