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小麦
Wheat(英)/Blé(仏)/Frumento(伊)/Weizen(独)
小麦粉
(Wheat )Flour(英)/Farine( de Blé)(仏)/Farina( di Frumento)(伊)/(Weizen)mehl(独)
※各外国語は「(小麦の)穀物粉」の意。単に「穀物粉」で通常「小麦粉」を指す。

大麦
Barley(英)/Orge(仏)/Orzo(伊)/Gerste(独)

ライ麦/黒麦/夏小麦
Rye(英)/Seigle(仏)/Segale(伊)/Roggen(独)

燕麦/オート麦/オーツ麦/マカラス麦(/カラス麦)
Oat(英)/Avoine(仏)/Avena Sativa(伊)/Saat-Hafer(独)

 米を除くイネ科の一年草で、古代から現代に至るまで人類の主食となる植物。
中でも小麦の生産量は特に多く、トウモロコシ、米と併せて世界三大穀物と呼ばれます。
「ムギ」と呼ばれる栽培品種は他に「鳩麦」がありますが、特徴や用途が著しく異なるため本項では割愛します。
品種にもよりますがいずれも春撒き秋撒きが可能で、土地の気候に合わせた栽培がしやすく、農閑期の畑を有効活用でき、それにより連作障害を防ぐこともできるとあって重宝されます。
食用以外でも、茎の部分()が帽子やや靴、ロープ、建材、弓矢の的など、様々な用途に用いられます。

 小麦は1万5千年前のコーカサスからイラクにかけて。大麦は1万年前のイラクで雑草からそれぞれ栽培化。
ライ麦は小麦畑内のよく似た雑草が進化。燕麦は小麦畑や大麦畑の雑草であったカラス麦を栽培化したものがそれぞれ起源と言われています。
このように燕麦はカラス麦の改良種であり別の品種ですが、燕麦俗称として「カラス麦」がしばしば使われます。

 「小麦」「大麦」はそれぞれ「サブの麦」「メインの麦」の意。
伝来した当時の中国では小麦粉を作るのに必要な製粉技術が未熟であったのに対し、大麦は脱穀が容易な裸麦であったこと。
加えて先述の通り二毛作が可能であったことなどから、大麦は「五穀の長」とまで呼ばれていました。
「ライ麦」は英語の「Rye」から。「黒麦」は「黒パン用の麦」から。
燕麦」はツバメが羽を休めた形の穂をしているという説と、人間が食するのに適さない(と思われていた)植物に動物の名をつける慣例からという説があります。


各種の概要
 植物的外観栽培穀物的特徴主な用途
小麦穂に生えているヒゲが短い
葉が細長い
湿潤を好む
乾燥でも可
粘り気(グルテン)が多い
ほとんど水を吸わない
(水溶性食物繊維がほぼ皆無)
他の麦と比べ栄養は少ない
白パン、ふすまパン、麺類、粉物、菓子、
大麦穂に生えているヒゲが長い
葉が幅広で短い
寒冷を好む
乾燥を好む
湿潤でも可
塩害に強い
粘り気が少ない
吸水性が高い
裸麦を除き種子と籾殻癒着
、大麦パン、ビール、ウィスキー、焼酎、麦茶、麦味噌、水飴、麦飯、飼料
ライ麦小麦に似るが種子が細長い
小麦の近縁で交雑も可能
寒冷を好む
痩せ地でも可
に耐性
粘り気がないが
膨らむ性質(グリアジン)は持つ
麦角菌に侵されやすい
黒パン、ウィスキー、ウォッカ
燕麦遠目のシルエットは笹に近い
洗濯ばさみに似た形の穂
冷涼を好む粘り気がない飼料(オートミール)、乾パン(小麦と混ぜて)


小麦粉の分類
 グルテン含有量主な用途補記
強力粉
(パン用粉)
11.5%〜13.0%パン、パスタ、原料となる小麦の品種により決まっている。
硬質小麦強力粉準強力粉に。
中間質小麦(軟質小麦に大分される場合も)は中力粉に。
軟質小麦薄力粉に。
厳密にはグルテンの量だけでなく、その性質やタンパク質の分子の大きさなども見て分類される。
準強力粉
(フランスパン用粉)
10.5%〜12.5%フランスパン、ピザ、中華麺
中力粉
(うどん粉)
7.5%〜10.5%うどん、そうめん、ひやむぎ、餃子
薄力粉6.5%〜 9.0%菓子、粉物、天ぷら
一等小麦
(メリケン粉(※))
(問わない)白パン、菓子挽いた小麦をふるいにかけた、粒子の細かい白い小麦粉が一等小麦。かつての貴族用。栄養価が低い。
ふるいを通らなかった粗い小麦粉と、ふすま(外皮胚芽)の混合物が二等小麦。かつての庶民用。栄養価が高い。
二等小麦ふすまパン
明治中期から輸入が開始されたアメリカの小麦粉のことで、国産の小麦粉(うどん粉)と区別するために作られた言葉。
パン食が伝わるも、当時の日本の製粉技術による粗いふすま入りのうどん粉ではうまく作れなかったために輸入が開始されました。
元々パン用ということで強力粉、汎用かつうどん粉に対する言葉ということで中力粉、大阪の粉物に多用されたことで薄力粉など様々な推測がありますが、当時の資料がないためいずれか特定の種類なのか、用途により複数種を使い分けていたのか実際のところは分かりません。
ただ言えるのはアメリカで生産されているのは強力粉準強力粉薄力粉の3種であり、ゆえに中力粉説はありません。
近年のそれらの輸入割合は6:2:5〜6:3:2といったところで、かなり変動はありますが強力粉が常に一番多くなっています。


大麦の種類
 特徴主な用途補記
二条大麦
(大粒大麦)
(ビール麦)
1房に2列の穂
粒が大きい
ビール、ウィスキー、焼酎、大麦パン大麦の原種で、ヨーロッパの主流品種。
粒が大きく揃っているので酒造に向いている。
四条大麦1房に4列の穂 品種ではなく亜種。中国に。
六条大麦
(小粒大麦)
1房に6列の穂
粒が小さい(米程度)
麦飯、麦茶、麺類、水飴6列実るので収穫量が多い。
よって主食として用いるのに向いている。
裸麦皮が癒着していない麦飯、麦味噌六条大麦から変異。脱穀しやすい。
交雑により二条種版も一応あるが、ほとんど生産されない。
もち麦もちもちしている麦飯団子もち性裸麦
うるち性の大麦が米の代替なら、こちらはもち米の代替。