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パン
Bread(英)/Pain(仏)/Pane(伊)/Brot(独)

 (または米、トウモロコシ)の粉に水などを加えたものを捏ね、焼く、蒸す、揚げるなどした食品。
特に、小麦粉(強力粉中力粉)に水、酵母その他を加えて焼成した発酵焼成パンを指してこう呼ばれます。
発酵させたパンは紀元前3,500年前後のエジプトで作られたものが最古とも言われますが、明確な起源は不明。
なお、砂糖、卵、牛乳、バターなども主原料とし、薄力粉を用いたものは菓子の方に分類されます。

 ギリシア経由でローマに伝わった製パン技術はその後急速な広がりを見せ、ヨーロッパ人の主食と呼ぶにふさわしい地位を確立するに至りましたが、ローマ帝国やその後の貴族、協会らが技術を独占していたこともあって、各家庭で焼かれるくらい身近な存在になるには13世紀以降まで待たなくてはいけませんでした。
なお現在イメージするような柔らかいパンは1,850年頃に開発されたもので、それまでは硬いパンしかありませんでした。

 「Bread」はゲルマン祖語で「一片」を意味する「Brauda」、または「膨れる」を意味する「Bhreu」に由来すると考えられています。
一方「パン」ことポルトガル語の「Pão」は、ラテン語で「食物」を意味する「Panis」に由来するとされます。
ちなみにこのPanisは「を与える」という意味の「Pasco」から派生したものなのですが、日本の製パンブランドのPasco(「Pan Shikishima Company」の略語)はこれとは関係ないということです。