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Tea(英)/Thé(仏)/(伊)/Tee(独)

 茶葉の成分をお湯または水で抽出した飲料。
慣習的に他の植物から抽出したものも茶と呼ぶ場合があり、コーヒーココアなども広義にはこれに含まれます。
茶はそのまま飲まれるほか、ミルクなど他のものとブレンドした茶飲料としても楽しまれます。

 茶葉とはチャノキまたはアッサムチャの葉のことで、熱帯及び亜熱帯気候に適した植物。
チャノキは中国南部からインド北部にかけて栽培が盛んで、中国が原産地と見られますが正確な起源は不明。
一方アッサムチャはイギリスの茶農家ロバート・ブルース(Robert Bruce)が1,823年にアッサム地方で発見したチャノキの高木変種で、茶葉が大きい分収穫量が多く、カテキンが多いことにより発酵しやすいため、世界で最も消費量の多い紅茶の需要に応えました。

 飲茶の明確な起源は不明ですが、文献に残る最古は紀元前2世紀中国の『爾雅』または『凡将篇』にて。
日本に伝わったのは805年に最澄が持ち込んだものとする説が一般的で、ヨーロッパには1,610年に日本の長崎県平戸と中国から緑茶がそれぞれオランダへ。
紅茶の一大消費国として知られるイギリスへの普及は1,662年に紅茶好きで知られるポルトガル王女カタリナ・デ・ブラガンサ(Catarina de Bragança(ポルトガル)、キャサリン王妃)が嫁いだことで。
紅茶の起源については諸説ありますが、明→清移行期の中国(1,616年〜1,644年)において、岩茶(ウーロン茶(半発酵茶)の一種)の生産地である桐木村に軍隊が駐留したことで作業が中断され、その結果発酵が進んでしまった「正山小種」が初とされる説が有力。

茶史概略
時期出来事
紀元前2世紀茶に関する現存する最古の文献(中国)
805年中国→日本
1.610年日中→オランダ
1,616年
〜1,644年
紅茶の発見
1,662年ポルトガル→イギリス
1,823年アッサムチャの発見


 茶はその製法に応じていくつかに分類され、色名のつく6種を特に六大茶、およびそれに花茶を加えたものは七大茶と呼ばれます。
色名称は茶葉または抽出後の色から取られますが、紅茶(抽出後)がBlack(茶葉)で更に黒茶が別に存在する点に注意。

名称分類/製法代表的な例
緑茶
Green Tea
不発酵茶
生の茶葉を加熱処理して一切発酵させない茶
一般的な中国茶/日本茶
 黄茶
 Yellow tea
弱後発酵茶
ゆっくり加熱/冷却処理した緑茶を熟成
高級中国茶
青茶
Oolong Tea
半発酵茶
茶葉を揉んで発酵させ途中で加熱処理
=ウーロン茶
 白茶
 White Tea
弱発酵茶
揉まないで発酵させた青茶
日本での知名度は低い
 紅茶
 Black Tea
((完)全)発酵茶
加熱処理せず最後まで発酵させた青茶
ダージリン、アッサム
アールグレイ など
黒茶
Fermented Tea
後発酵茶
麹菌で数ヶ月以上発酵
プーアル茶、阿波番茶
バタバタ茶 など
茶外茶
Blended Tea
Flavoured Tea
複数の茶葉をブレンドしたもの
および茶葉を使わない茶の総称
十六茶などのブレンド茶
茶、昆布茶、甜茶 など
 花茶
 Flowering Tea
茶外茶のうち、以下を特にこう呼ぶ
ハーブの香りを茶葉につけたもの
・茶葉とハーブを混ぜたもの
ハーブのみ(=ハーブティー)
ジャスミン茶
ローズヒップティー
カモミールティー など