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ビール(日)/麦酒/ビア
Beer(英)/Bière(仏)/Birra(伊)/Bier(独)
エール
Ale(英)/Ale(仏)/Ale(伊)/Ale(独)

 一般的に、大麦麦芽糖醗酵させて作るアルコール飲料のこと。
麦芽(モルト(Malt))とは発芽した麦のことで、デンプンが糖に変化するため醗酵に適した状態となります。
紀元前7,000年頃の中国、紀元前6,000年頃のエジプトとメソポタミア(現在のイラク)、紀元前5,000年頃のイランなどで既に醸造されていたと見られています。

 最初期のものは、硬くなった大麦パンをお湯で戻したものから出来たと言われており、オートミールのような粥状のものでした。
醗酵させただけのビールは保存性が悪く、果実酒のような風味と甘味だったため、ハーブ類(グルート(Gruit))を麦汁で煮込んで抗菌性を持たせ、苦味を調整するようになりました。
当初は様々なハーブが用いられていましたが、9世紀(最古の記録で822年)から徐々に使われだしたアサ科のホップが他を押しのけ、その後現在まで使い続けられています。

 呼称は「エール」が先で、インド・ヨーロッパ祖語で「魔法」「陶酔」などを意味する「Alut-」が語源。
後に語「ビア」が登場したことで、エールはビアの一種のみを指すようになりました。
そのエールの定義は時代や国によって様々で、概ね以下のようになります。

15世紀のイングランド
 ホップ入りのものをビア、入っていないものをエール。

16世紀以降のイングランド
現在のアメリカの一部の州
 アルコール度数の強いものをエール。

現在の一般的な定義
 常温性酵母(エール酵母)を用い、15〜25℃で短期間醗酵させたものがエール(上面醗酵ビール)。
低温性酵母(ラガー酵母)を用い、4〜15℃で長期間醗酵させたものがラガー(下面醗酵ビール)。
空気中の酵母を用い、1〜2年もの長期間醗酵させたものが自然発酵ビール。
なお、「生ビール」というのは処理による殺菌をしていないものを指し、上記のいずれにも該当し得ます。