焼入れ Quenching(英)/Trempe(仏)/Tempra(伊)/Abschrecken(独) |
名称 | 加熱温度 | 冷却手順 | 概要 |
焼入れ Quenching(英) | 高温 | 急冷 (最後徐冷) | 硬くなるが脆くなる。 加熱で膨張、冷却で収縮が起きるので、微細なヒビがあったり適切な温度手順で行わなかったり、そもそも展延性が低い物質の場合は破損の可能性が出てくる。 |
焼戻し Tempering(英) | 低温 | 徐冷 | 焼入れしただけでは上記の通り脆くなり製品寿命が縮むので、靭性を回復する目的でセットで行う。 適切な温度で行うことで、硬度を損なわずに展延性を付与することができる(二次硬化)。 |
焼なまし/焼鈍 Annealing(英) | 中程度 | 徐冷 | 加工前に、素材をとにかく柔らかくする目的で行われる。 目的により適切な温度は様々。 |
焼ならし/焼準 Normalizing(英) | 中高温 | 徐冷 | 刃物の切れ味を高める目的で行う。 切れ味は研磨だけでなく素材の結晶分子がどれだけきめ細かいかにも左右されるため(※)、一度全体を保温して不均一な分子構造をならすことでそれが改善される。 |
※ | 銅よりも鉄、それらよりガラスの方が切れ味が高いのはこのため。 |