[トップ][もどる]
グングニル/グングニール
Gungnir(古ノルド)

 北欧神話の主神オーディンが所有する
ロキが悪戯で切り落としたシフの金髪を弁償するため、彼がの小人族(ドワーフ)のイーヴァルディの息子らに頼んでカツラ(頭皮に根付き、成長もするという代物)を作らせます。
その際炉に余力が残っていたため、ついでに創られたのがこのグングニルです。
投げ槍としての使用が主で、投げれば必ず命中し、そして自動的に手元に戻ってくると言われています。
Gung」は「震える」や「グワングワン(剣戟の擬音)」などを表す語で、そこに「者」を表す「-nir」がついたもの。

 穂先はルーン文字が刻まれた光沢を持つ鋼鉄(素材は諸説あり。不明とも)で、竿はトネリコでできているとされます。
当時の(特に鋼鉄)は精製技術の未熟もあって魔力素材として扱われており、更にそこにルーン文字が刻まれて強化されていることにより、「貫けない鎧はない」と言われます。
またトネリコは北欧神話において人間の原材料となった木で、「いかなる武器でもこれを破壊することはできない」とされます。

 魔剣グラムをも破壊したとされるこの槍ですが、ラグナロクにおいてロキに呑み込まれて失われてしまいました。