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ラグナロク/神々の運命
Ragnarök(後期古ノルド)/Ragnarǫk(原始古ノルド)/Ragnarökr(スノッリのエッダ)
Fate of the Gods(英)/Destin des Dieux(仏)/Fato degli Dèi(伊)/Schicksal der Götter(独)

神々の黄昏
Ragnarøkkr(古ノルド)
Twilight of the Gods(英)/Crépuscule des Dieux(仏)/Crepuscolo degli Dei(伊)/Götterdämmerung(独)

 北欧神話に登場する世界の終末。「Ragna(助言を与える者たち=神々)」+「Rök(運命)」の意。
これがスノッリのエッダで「Ragnarökr」と表記され、その後ドイツの歌劇家ワーグナーがこれを「Ragnarøkkr」として訳したことにより、以後「神々の黄昏」という訳が定着します。
スノッリがどちらの意味のつもりでそのように表記していたかは不明。

 ラグナロクはバルドル(Baldr)の死をきっかけに、拘束を解かれたロキ(Loki)が巨人族やその他の化物を率いて、主神オーディン(Odin)率いる神族と最終戦争をするというものです。
これにより双方滅亡(正確には一部は生き残っているとされます)して神の時代は終わりを告げ、唯一生き残ったリーヴ(Líf。「生命」の意味の男性)とリーヴスラシル(Lífthrasir。「生命力を自ら維持する者」の意味の女性)という2人の人間が新しい世界の祖先となるという結末です。

 北欧の人たちは375年のゲルマン民族大移動後のパラディンらに見られるように、多民族との接触、およびその土地の宗教思想を取り入れるということを行いました。
エッダは後世(12世紀)になって記されたものですが、これはかつての自分らの思想終止符を打つと共に、その上で後世に残したいという意図があったものと見られます。