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統治形態とそれによる国名の命名規則


一般的な国名の命名例

国名(例)社会体制国家体制補記
エルンテ
コンカナ
グリュック
ネイブルランド
クローネンベルク
ケイニッヒ・クロルト
テングランド
ゾンビランド
チュパカブラ
        など
 連合王国
  王国
  王国連合
  首長国
  首長国連邦
 大公国
  公国
  帝国
     など
君主国に「社会体制」はつかない。
帝国」は共和制の場合もあるが、歴史的呼称(下記)ということもあり同様に付随しない。
人民民主
人民民主主義
  民主主義
  民主主義人民
  民主人民
  民主
人民社会
人民社会主義
  社会主義
  社会主義人民
  社会人民
  社会
      など
連邦
連邦共和国
  共和国連邦
  共和国
  合衆国
     など
「社会体制」が付随するのは近世以降の国のみ。
なお、「社会体制」が「国名」より前につく例も稀にある。
また、「民主主義」となっているから民主主義国とは限らない。
これは国名と実態が剥離していることによるもの。


国の分類と概要


単一国家
 
君主国
君主──世襲制の貴族など、非民主的な権威の象徴──が存在する国家。
君主が持つ権限により以下のように分類される(通常は「絶対君主制」か「立憲君主制」に大分される)。
 絶対君主制…法が存在せず、君主による独裁体制
 専制君主制…法よりも君主の権限が優先される、または法に君主の権限が明記されている政治体制。
 制限君主制君主の権限が法により一部制限されている政治体制。
 立憲君主制君主よりも法の権限の方が強い政治体制。
 象徴君主制君主の存在が形だけで、権限がゼロに近い政治体制。日本がこれに該当。
王国王や女王が治める君主国
 首長国イスラム社会の首長(アミール)が治める王国土侯国
 藩王国ヒンドゥー社会の藩王(ラージャ)が治める王国土侯国
 汗国モンゴルの君主(ハン)が治める王国
 皇国大日本帝国に用いられていた呼称。
稀にブルガリアやロシアなどスラヴ語圏の王/皇帝(ツァーリ)が治める君主国の訳語として。
大公国大公(主に王の子や兄弟)が独立し治める君主国
公国公爵以下の貴族や準貴族が独立し治める君主国
公爵以外の貴族が建国した場合も、原則として全て「公国」となる。
ただし「伯国」「騎士団国」などの例外も存在する。
 司教領
 大司教領
司教国」「大司教国」と訳記することも。
爵位を持つキリスト教カトリック教会司教大司教が、宗教の枠を超えた支配権を有する領域。
爵位を優先するなら「公国」となる。
なお「バチカン市国」は実質この司教国となる。
 騎士団国騎士団領」と訳記することも。騎士団が支配権を有する領域。
元首は選挙で定める場合もあり、その場合は共和国相当となる。
共和国
君主が存在しない国家。
君主以外の独裁政治も有り得るので、民主主義とは限らない点に注意。
指導者の種類により以下のように分類されるが、複数種の指導者を持つ場合もある
また以下の指導者を擁していても、君主がいる場合は君主国となる。日本がこれに該当。
 大統領制……国民により選ばれた元首による政治体制。大統領。総統。主席。総書記。
  イスラム共和制…大統領制に同じだが、元首よりもイスラム教(法)を優先する政治体制。
 議院内閣制…国会により選ばれた首相による政治体制。総理。
 貴族制………貴族のみによる政治体制。ただし国によっては世襲貴族以外の有力者も含む。
 軍事政権……軍のトップによる政治体制。
 神権政治……宗教団体による政治体制。天皇を神道の神とする日本も一応これに該当。

複合国家
 
対等の結合関係にあるもの
連邦
連合
合衆国
複数の国、領邦が集まり、それらが1つの上位政府によって統治される国。
国土が大きかったり、多民族国家の場合に多く見られる。
なお「連合王国」「連合共和国」はこれに該当するが、単に「連合」となると下記国家連合、また「連合国」となると複数の独立国家による軍事同盟を指すので注意。
 領邦
 
国の一部で、その国のルールには従うものの、一国家に比肩する強い権限を持つ領域。
領邦」は中世ヨーロッパの概念、「」はアジアの概念。
国家連合上記「連邦」の関係に同じだが、上位政府が存在せず、全ての州は対等の立場とする関係。
通常はその後連邦制に移行するか、足並みが揃えられずに分裂する。
現在のEU(ヨーロッパ連合)など。
自由連合下記「保護国」の関係に同じだが、あくまで両者は対等の立場とする関係。
支配・従属の関係にあるもの
帝国多民族、多宗教を擁する広大な土地を治める国。
皇帝が君主とは限らない。王制が一般的。共和制の場合も有り得る。
現在では上記連邦等に置き換えられているが、それらを批判的に呼称する際に用いられることも。
保護国主に安全保障上を事由とした保護の条約に基き、その条約の範囲内で保護国被保護国に干渉できる関係。
保護国被保護国宗主国に当たるが、単に「保護国」と言った場合は通常被保護国の方を指す。
現在は自由連合に置き換えられている。
 被保護国
宗主国付庸国植民地などの上位の立場にある国。
 付庸国(従属国)大国の一部が独立する前の半独立地域。
あくまで宗主国の一部で国内法に従うが、別の国家のように振る舞う地域。
 自治領大国の一部が独立する前の半独立地域。
あくまで宗主国の一部だが独自の自治法を持ち、別の国家のように振る舞う地域。
 植民地(殖民地)宗主国の人々が移り住み実効支配するようになった国や地域。
通常、植民地宗主国から任命された総督が治め、法は現地のものに従う。

その他社会体制による分類
 
自由主義
個人がその国家の中で自由であることを良しとした国家体制。
政治への自由である民主主義、経済活動の自由である資本主義などを含む語。
なお「自由国」はこの意味とは限らず、独裁圧制の場合もあるので注意。
民主主義国政治の意思決定権を、国民によって構成される政治家全員が有する政治体制(間接民主制)。
または選挙権を持つ有権者が、投票などの手段で直接政治に携わる政治体制(直接民主制)。
国民主権。
 資本主義経済活動に対して個人の自由を優先する経済用語。
完全な資本主義国家では、労働で得た所得は全て個人の財産として認められることになっている。
実際は高所得者ほど税金が高くなるなどの社会主義的思想が加えられ、経済格差を抑えている。
自由な経済活動は国民の士気を高め、社会全体の経済や技術力等の目覚ましい発展が望める。
しかし経済格差が広がると貧困層はモノが買えなくなり、富裕層はモノが売れなくなり最終的に破綻する。
 社会民主主義資本主義社会を基調としながら、政府等が調整を加えることによって貧富の差を緩和する政治体制。
具体的には能力や仕事量に関係なく年功序列で給料が上がっていったり、所得による累進課税の格差が極端に大きいなどの社会システム。
社会が歯止めを行う民主主義。
現在の日本がこれに相当。
全体主義
個人は全て全体に帰属することを良しとした国家体制。アリやハチのような社会。
近所同士で助け合うシステムを含み、それを社会全体にまで拡大した考え。
社会主義国所得や階級等の格差をなくし、平等な社会を目指す政治体制。
階級をなくすとあるが、実際には統制を行う立場が唯一権限を持つ寡頭制政治となる。
 共産主義財産を共有化して平等な社会を目指す経済用語。
完全な共産主義国家では、通貨という概念すら存在しないことになっている。
しかし努力しても報われないシステムは、国民全体の士気を欠き経済活動を滞らせる。
加えて再分配する立場の人間がピンハネを行うようになると、システムはたちまち破綻する。
 民主社会主義一党独裁の形ではなく、国民の選挙によって選ばれた政党が社会主義遂行する政治体制。
どの程度の分配や制限が行われるかは政党による。
民主的な社会主義
その他
ベーシックインカム資本主義共産主義を組み合わせた考え。
働けば働いた分だけ財産を増やせる点では資本主義と同じ。
一方で税金が高額に設定され、そうして集められたお金が全国民に定期的に再配分されるという仕組み。
支給される額は最低限の生活を行えるとされる額面で、一切の所得がなくても一応の生活が可能となる。
日本で例えるなら所得税の割合が今よりも増え、全国民に毎月年金が支給されるようなもの。