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イスラム教/回教
Islam(アラビア)

 世界三大宗教(キリスト教、イスラム教、仏教)の第2位に位置する宗教。
信徒数は3位の仏教の3倍以上に上りますが、教義内容の特異さからか、日本ではあまり馴染みがありません。
日本ではどちらかというとテロリストとしてのイメージが色濃いですが、これはごく一部の派閥によるものが目立っているに過ぎません。

 イスラム教はユダヤ教から派生した宗教で、西暦610年にムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ(マホメッド)が、天使ジブリール(=受胎告知の天使ガブリエル)を通して唯一神アッラーフ(アラー)の啓示を受けたことにより開かれました。
イスラム教的には派生元のユダヤ教もその一部と見なされ、ユダヤ教の預言者はイスラム教でも預言者として扱われ、聖典『アル=クルアーン(コーラン)』の中には旧約聖書も含まれます。
このため教義内容もユダヤ教に基づいているものが多く、偶像崇拝の廃止などもこれによります。
また、定時の土下座礼など、生活習慣に細かな規定を設けているのが特徴です。

 なお預言者とは神の言葉を代弁する者のことで、ムハンマド以前の預言者として認められているのは以下の5人です。

・アダム
・ヌーフ(ノア)
・イブラーヒム(アブラハム)
・ムーサー(モーセ)
・イーサー(イエス)

ここにあるイエスとは、キリスト教の祖となったイエス・キリストのことです。
そもそもイエス自身はユダヤ教徒でしたが、それを抜きにしてもイスラム教はキリスト教を兄弟宗教として認めています。
両者は仲が悪いというイメージが根強いので意外に思うかもしれませんが、パラディン十字軍との抗争など、いずれもキリスト教(カトリック系)側から仕掛けられたものです。


 イスラム教には諸派が多数存在しますが、大別するとスンニ派(正統派)とシーア派(少数派)の2宗派となります。
教義の面で大差はなく、違いは開祖をムハンマドとするか、4代ハリーファ(カリフ。≒教祖)アリーとするかという点です。
アリーはムハンマドの従兄弟で、シーア派の見解ではムハンマドにその秘儀を授けた師とされています。
このためアリーを、開祖ムハンマドより先の初代イマーム(指導者)としています。

 シーア派はアラブ人との差別待遇を受けたとするイラン人が多く支持しており、さらにこの中で多くの分派が存在します。