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蜂蜜酒
Mead(英)/Hydromel(仏)/Idromele(伊)/Met(独)
Honeywine(英)/Vin de Miel(仏)/Vino al Miele(伊)/Honigwein(独)

 蜂蜜に水を混ぜて放置するだけでできるアルコール。
蜂蜜糖度が高く、そのままでは保存料として使えるほどに菌の繁殖に適さない環境ですが、それを希釈することで糖をアルコールに変換する菌が生育できるようになるというもの。
薄めすぎると材料となるが足りなくなるので、およそ2〜3倍(糖度80%→30%〜40%程度)とするのが適切。
個人でも簡単に作れるものですが、その場合酒税法で罰せられるので注意してください。
Mead」などの語源はインド・ヨーロッパ祖語で「蜂蜜」を意味する「Médʰu」からで、中国語→日本語の「」もこれに由来します。

 蜂蜜酒蜂の巣に溜まった雨水から偶然発見されたと考えられており、現存する最古の証拠は紀元前7,000年頃の中国で、ヨーロッパでは鐘状ビーカー文化の頃(紀元前2,600年〜紀元前1,900年)。
文献に登場する最古は紀元前1,700年〜紀元前1,100年頃のヒンドゥー教の聖書より。

 古代ケルトでは「不死の飲み物」として重宝され、古代から中世初期にかけてはビールと並ぶポピュラーな飲み物となりましたが、その後人口の増加に従って原料となる蜂蜜が不足し、一方で他のアルコール生産が盛んになったこともあって蜂蜜農家や貴族、ハレの日に飲まれる程度に。
以後現在に至るまで他の酒類にシェアを譲る形となっていますが、養蜂の盛んな地域では伝統的なそれが今なお生産、販売されています。