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砂糖 Sugar(英)/Sucre(仏)/Zucchero(伊)/Zucker(独) |
ブドウ糖と
果糖が結合して成るショ糖。およびそれを主成分とした粉末状の調味料。
甘味料として用いられるほか、
ジャムなどの保存食品を作る際にも用いられます。
古くは栄養補給用の薬としても用いられていました。
亜熱帯に適したサトウキビ(70%)と、
冷帯に適したテンサイ(30%)から主に生産されます。
サトウキビはニューギニアまたはその周辺の島々で
栽培されていたのが最古と見られ、詳しい時期は分かりませんが一説には紀元前8,000年頃とも。
これが紀元前2,000年前後にインダス文明(現パキスタン)に伝わり、
甘味料として用いられます。
この時点ではサトウキビから
採取された汁や、それを
結晶化した
含蜜糖(≒黒砂糖)が用いられており、これらは「蜂の造らない
蜂蜜」(ローマ)、「インドの
塩」(ギリシア)、「
蜂蜜のようなもの」(マケドニア)などと表現され伝えられます。
この
糖液から
糖蜜を取り除いて白砂糖を
精製する、いわゆる
精糖が行われるようになったのは5世紀のグプタ朝東部、現在のインド北東部のベンガル地方でした。
これにより砂糖の保存性が飛躍的に向上し、以後世界各地に砂糖が広がることとなります。
中国には7世紀に
精糖技術が(
糖液自体はそれ以前からあり)、日本には8世紀に砂糖が中国を経由して伝来します。
サトウキビの
栽培、および
精糖は非常に多くの労力を必要とします。
17世紀当時、砂糖の味を覚えたイギリス人はこの砂糖を大量に得るために、西アフリカで
奴隷を購入し、それを西インド諸島とその周辺(南北アメリカ東海岸)で売却し、その
奴隷によって作られた砂糖その他を購入して本国に帰るという「三角貿易」によってこれを満足させました。
なお21世紀の現在でも、事実上
奴隷として扱われる人らによるサトウキビ
栽培は続いています。
その後も砂糖はサトウキビから作られるのみでしたが、1,747年にドイツの化学者アンドレアス・マルクグラーフ(Andreas Sigismund Marggraf)がテンサイ(サトウダイコン)から
精糖する方法を考案し、その後1,806年にフランスの皇帝ナポレオン1世が出した大陸封鎖令をきっかけに大量生産され、以後テンサイ由来の砂糖が普及するようになりました。