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マインゴーシュ
Parrying Dagger(英)/Main-gauche(仏)/Manosinistra(伊)/Fechtdolch(独)
30cm〜70cm、500g〜1,000g
ソードブレイカー
Sword Breaker(英)/Rompispada(伊)

 銃器が戦場に姿を現す16世紀。騎兵はその銃弾に対抗すべく板金鎧を強化させていきましたが、それと同時に重くなりすぎた鎧は歩兵の足枷となったため、こちらは逆に「銃弾に耐える」のではなく、「銃弾を避ける」ために軽装になっていきました。
盾も例外ではなく、その発展形が「パリーイングダガー(受け流しの短剣)」と呼ばれるものです。

 マインゴーシュとは「左手用の短剣」という意味の言葉で、右手(利き手)に本来の武器を持った状態で、盾の代わりとして使用することを意味しています。
その意匠は利き手の剣に合わせることが多いので、一概にどういう形とは言えません。

 が受け流し用に特化されているものや、拳を守るために盾状になっている(カップガード)もの、はたまたボタンを押すと刀身が三つ又に分かれる「トライデント(三叉)マインゴーシュ」というものも存在します。
ですがいずれにしても共通して言えることは、「盾としての機能を果たす」ということです。

 一風変わっているのが、ソードブレイカーという剣です。
これは両刃剣の片側が櫛型になっており、相手の剣をいなすのではなく、受け止めて、そのままへし折るために用いるものです。
ただしそれなりに強固に作ってあるとはいえ不安定な形状であるため、場合によっては逆に相手の剣で砕かれるということもありました。
レイピアブロードソードといった細身の剣が主流の時代であったからこそ、使うことができた剣とも言えるでしょう。