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スライム
Slime(英)/Gluant(仏)/Melma(伊)/Schleim(独)

 スライムとは本来、「ぬめり」という意味の英単語。
これがモンスターの名称として用いられたのは、1,953年J・P・ブレナン著『スライム』より。
ただし原形質の不定形モンスターとしての特徴を固めたのは、それより先の1,931年H・P・ラブクラフト著『狂気の山脈にて』に登場する「ショゴス」だといわれています。

 RPGに初めて登場するのは、『D&D』のグリーンスライム。
以後その他の作品にも、「ウーズ(Ooze)」、「プリン(Pudding)」、「ゼリー(Jelly)」、「ゼラチナス(Gelatinous)」などの名で取り上げられるようになり、これらは基本的な特徴は周到しているものの、少しずつ異なる性質を与えられています。

 スライムは粘菌類(初期のものはアメーバなどの単細胞生物)がモデルとなっており、ダンジョンの天井に貼りついては、その下を通過する獲物の上に覆い被さるという捕食方法を採ります。
剣で刺してもダメージは与えられず、それどころか肉も金属も関係なしに消化してしまいます。
スライムを殺すにはで焼くしかなく、そのため一度取り付かれてしまった場合は、当人も火傷を負う以外助かる道はありません。

 また、あらゆるものを消化するという性質上、他のモンスターのように戦利品(装備品や皮、肉など)が得られることもありません。
まさにハイリスクノーリターンの典型ともいえます。


 このように凶悪な性質をもったスライムなのですが、現代ではゴブリンよりも劣る雑魚キャラクターとして扱われることがほとんどです。
史上初の弱いスライムは、『Wizardry』のバブリースライムとされています。
その後『ドルアーガの塔』『ドラゴンクエスト』などで半液状→半固形(グミ状)、つまり剣が通るようになったり、消化能力が取り払われるなどして、今日のイメージに至ります。