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ジャム
Jam(英)/Confiture(仏)/Marmellata(伊)/Konfitüre(独)
マーマレード
Marmalade(英)/Marmelade(仏)/Marmellata(伊)/Marmelade(独)
ゼリー
Jelly(英)/Gelée(仏)/Gelatina(伊)/Gelee(独)

 果物や野菜を、糖類と水で煮てゲル化した保存食品。生食に向かない果物の処理法としても用いられます。
果物に含まれるペクチンは104℃で糖と反応し、これにより粘度を持つペーストになります。
ペクチンが少ない素材の場合は、レモン汁などでペクチンを付与してゲル化させます。

 ジャムの詳細な起源は不明ですが、1万〜1万5千年前には果物を蜂蜜で煮た食品があったと見られています。
砂糖のジャムは紀元前323年、アレクサンドロス3世がインド遠征で砂糖を持ち帰り、これを用いてジャムが作られたという記録が残っています。
砂糖のジャムが一般に普及しだしたのは1,806年、フランスの皇帝ナポレオン1世が出した大陸封鎖令により砂糖の輸入が激減し、それにより甜菜(砂糖大根)からの精糖が始まったことがきっかけとなります。

 「ジャム」は古英語で「ぐちゃぐちゃ噛む」を意味する「Cham」に、「コンフィチュール」はラテン語で「作る」「準備する」を意味する「Conficere」に、「マーマレード」はポルトガル語で「かりん」を意味する「Marmelo」にそれぞれ由来します。
これらはその国や地域の中で分類分けが為されていたり、あるいはジャムを指すその土地土地の言葉として用いられるなど、国際的な定義は曖昧です。
例えばドイツ語圏では、スイスではコンフィテューレが、ドイツとオーストリアではマルメラーデがジャムを指す言葉として用いられていましたが、近年英語圏の定義に倣い、前者がジャム、後者がマーマレードに相当するものと定められました。

 日本での定義は下表の通り。英語圏も概ね同じですが、添加物等により更に他のジャム類の定義もあります。

名称定義
マーマレード柑橘類の果皮が含まれるもの。
ゼリー果汁のみで作られたもの。
なおこれは北アメリカ英語で、イギリス英語ではゼラチンで固めたものをゼリーと呼びます。
プレザーブスタイルイチゴは半身以上、それ以外のベリー類は全形、その他の果物は5mm以上の厚さの果肉が残っているもの。
ジャム上記以外のもの。

 国や地域によっては糖類の割合まで定義されている場合もありますが、それも含めて40〜60%程度が概ね一般的です。
日本では風味やカロリーの都合から、10%程度のものも市販されています。