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バシリスク(英)/バジリスク(独) Basilisk(英)/Basilic(仏)/Basilisco(伊)/Basilisk(独)/Basilískos(希) バジリコック(日)/バシリコック(英) Basilicok(英) |
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コカトリス Cockatrice(英独)/Cocatrix(仏)/Coquatrix(仏)/Caucatrix(仏)/Cocatrice(仏)/Coccatrice(伊)/Basilisk(独) |
バシリスクは古代エジプトの砂漠にいたとされる蛇(
Serpent)で、ギリシア語で「小さな王」の意。
冠のようなトサカを持っているのが特徴で、身の丈は約30cm程度とされます。
毒を持ち、一説にはコブラがこのバシリスクではないかと言われています。
食用に採取したコブラの卵からバシリスクが現れたという
文献も存在します。
中世になると、このバシリスクは
誇張されて恐ろしい怪物へと変化を遂げます。
体躯は巨大になり、8本足を持ち、単眼で、石化能力を持つとされます。
足を持ったことにより、見た目は蛇というよりイグアナやカメレオンに近くなります。
一方コカトリスは、フランスを中心とする中世ヨーロッパ圏で、バシリスクを元にして生み出されたモンスターです。
バシリスク同様石化能力を持ち、これらはしばしば同一視すらされます。
一般的なものでは
雄鶏の頭に細身の
西洋竜の身体(タツノオトシゴのような)を持っている姿で描かれ、飛翔能力を持ち、
炎を吐くなど、さしずめ
雄鶏の頭を持った
ワイバーンといった存在です。
体表は鱗または羽毛、翼は鳥型、
蝙蝠型など外見には諸説あり、中には尾以外は全く
雄鶏と変わらないというものまであります。
バシリスクを元とするコカトリスに何故鷄の特徴がついたのかは、まずバシリスクがトサカを持っているということと、ヨーロッパ圏に似た生物がいないためにイメージが
曖昧に伝えられたということが
根底にあるようです。
一説にはクロコダイル(Crocodile)が訛ってコカトリス(Cockatrice)となり、トサカと名中のCock(雄鶏)が相まって作り上げられたとされます。
ただしコカトリスの名前の由来には他にも説があり、例えば古代のバシリスクを殺せるイタチ科の生物(ハブを殺すマングースのような)のフランス語訳が
訛ったものだとも言われます。
似たものでは、Cock(
雄鶏)は予知能力を持った、バシリスクを殺せる鳥であるとされ、そこからイメージが絡み合ったのだともされます。
これらバシリスクとコカトリスを比較する際、それらは同じ血統の種族であるとされ、発生の違いにより分化すると言われます。
・ | 雌鶏の卵を、雄鶏が蛇の巣穴で孵化させたもの。 →バシリスク。 |
・ | 雄鶏の卵(に似た糞玉)を、蛇かヒキガエルが孵化させたもの。 →コカトリス。 |
なお「バジリコック」とは、14世紀の詩人ジェフリー・チョーサー著の『カンタベリー物語』に登場するバシリスクのこと。