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アヴァターラ/アバタール/アバター
Avatāra(サンスクリット)/Avatara(ラテン文字転記)/Avatar(ヒンドゥー英仏独)

 ヒンドゥー教において、神が何らかの目的で人間や動物に転生したもの。
サンスクリット語で「Ava」は「下りる」、「tr.(tra)」は「渡る」を意味し、「(神が天から)降臨すること」を表します。
どの神もアヴァターラとして地上に現れますが、通常ヴィシュヌ神の10の化身を指して用いられます。

 アヴァターラには未来に現れると予言されるカルキ(Kalki)のような者もいますが、神話や叙事詩の獣や英雄、歴史上の偉人などを振り返って、アヴァターラだったと後述されるものが一般的です。
例えば叙事詩『ラーマーヤナ』の主人公ラーマ(Rama)、仏教の開祖釈迦などが挙げられます。

 ヴィシュヌ神の9番目のアヴァターラは本来バララーマ(Balarama)ですが、5世紀~10世紀頃の仏教弾圧において、釈迦であるという異説が唱えられるようになりました。
それによると、釈迦はカースト(身分制度)を否定する誤った教えを流布し、アスラ(悪魔)を惑わして聖典ヴェーダから遠ざけた後、人々を正しい教え(ヒンドゥー教)に導くために現れたとされます。
ただしこの考えは仏教側からは支持されておらず、ヒンドゥー教側にも賛否両論があります。


 今日の日本では、「アバター」は一般的にインターネット上の自身を表すキャラクターを指す言葉として用いられます。
これは1,985年にサービスを開始した「ハビタット(Habitat)」に導入され、日本では1,990年に同サービスにより普及しました。