[トップ][もどる]

スクロール/巻物
Scroll英)/Rotulus(仏)/Pergamena(伊)/Schriftrolle(独)

コデックス/写本
Codex(ラテン)/Manuscript(英)/Manuscrit(仏)/Manoscritto(伊)/Kodex(独)

 スクロールとは、紙、木片、竹片など文字や絵が記述できる記録媒体の端に棒をつけ、それに巻きつける形で保存する書籍の一形態。掛け軸もこの一種。
長くなると読みづらいという欠点はありますが、長期保存に強いという利点もあります。
 コデックスはハンドメイドの本のことで、単にブックの古風な表現と捉えられても構いません。
羊皮紙製であればスクロールほどではないにしても保存が利き、内容が膨大になっても探しやすく読みやすいというメリットがあります。
 下表のように一般の書籍中世前期にはコデックスに置き換えられますが、政治的な公式文書宗教儀式などではその後も用いられ続けます。

 ゲームなどでは恒久的魔法を習得するのに用いるのがコデックス、本来その魔法を使える者でなくても扱える、使い捨てのマジックアイテムがスクロールという扱いが一般的。
魔法以外では忍者が術を用いる際に口に咥える巻物が知られますが、本来のこれはただのメモ帳。
自身が開発した術の手順をメモしておいたり、天候などに左右される術を成功させるためにその統計を記したりするのに用いられました。

書物の歴史概略
 西洋東洋
竹簡木簡 時代(〜紀元前1,046)、中国。
「冊」の字が存在することから
この頃には竹簡があったと見られる。
割いた竹ないしそれと同程度の木の板を1行とし、
これをで連結して作られる巻物
巻物巻子(本)
スクロール
Scroll
紀元前1,280年頃、エジプト。
現存する最古の獣皮紙製。
継ぎ足す、巻くなどに向かない獣皮紙の頃は
[亖亖亖亖…]のように1ページずつ書いたものを
数ページ分繋げた程度のもの。
内容が肥大化するにつれパピルス(紙)に置き換えられ、
[|||||||||||||||…]のようなページの区切りのない形に。
868年、中国。
現存する東洋最古の紙製。
竹簡も継続して使われ、文書はそちらが主流。
絵巻掛け軸など、継ぎ目が問題になるものに。
折本 11世紀初頭、中国。
巻くのではなくアコーディオン状に山折り谷折り
交互に繰り返すことで冊子状にしたもの。
冊子(本)写本
コデックス
Codex(ラテン)
1世紀後半、ローマ。
同形に揃えられた紙を一辺で綴じたもの。
当初はパピルスで作られていたが、
輸出制限と適合性から羊皮紙が一般的に。
ローマでは2世紀、他地域では4〜8世紀に
スクロールがこれに置き換えられていく。
 
(印刷)本
Book
1,439年、ドイツ。初の活版印刷機
1,455年。同それによる初の印刷物(聖書)。
7世紀、中国。
世界初の活字印刷(1文字ずつのハンコの集合)
が行われるも漢字圏は文字の多さから普及せず。
左記印刷技術の導入で印刷本普及。
電子書籍パソコンなどのデジタル機器で書籍と同様の情報を閲覧できるようにしたもの。
1,949年、スペイン。デジタル化された初の百科事典。
1,971年、アメリカ。著作権の切れた書物をインターネットで閲覧可能に。
1,990年、日本。CDを挿れて用いる、電子書籍閲覧専用デバイスを発売。
1.994年、アメリカ。インターネットを用いた初の電子書籍販売会社。
1,996年、同、日本初。