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ナイトシェード
Nightshade(英)(/Morelle(仏))/Nightshade(伊)/Nachtschatten(独)

ベラドンナ
Belladonna(英)/Belladone(仏)/Belladonna(伊)/Tollkirsche(独)
Deadly Nightshade(英)

 ナイトシェードとは、ナス科の植物を指す古い表現。
現代の学名「Solanaceae(ナス科)」に相当しますが、「夜の影」の名が示すように毒草としてのニュアンスが強くあります。
創作物におけるナイトシェードは黒い実を持つそれとして描かれることが多く、それら条件を満たすナス科植物は、野菜の原種などを除けばベラドンナ(青い花、枝葉が少ない)とイヌホオズキ(白〜紫の花、枝葉が多い)がこれに該当します。
なおフランス語の相当名として記した「Morelle」はイヌホオズキ種を指す方言。

 ナイトシェードは毒性を持つ薬品や魔法媒体として用いられることが多いですが、現実世界同様、その毒性を薬効として用いるケースも見られます。

 代表的なナス科の植物とその毒性、用途などは以下の通り。
 含有毒補記
ナスアルカロイド灰汁として苦味が感じられる程度。加熱することで抜ける。
現代の主要流通品種はそれさえ抑えられ、生食しても苦味はない。
トマトアルカロイド配糖体
(トマチン)
流通品種の完熟果実であれば人体に影響のない程度の弱毒性。
青い果実、果実以外の部分、野生種などでは注意が必要。
ジャガイモポテトグリコアルカロイド
(ソラニンなど)
塊茎(芽と緑の皮を除く)以外有毒。
毒性はそれほど強くないが、若干の注意が必要。
トウガラシカプサイシン2,016年現在で毒性が疑われている段階。
脳へのダメージが懸念
ピーマンアルカロイド苦味が感じられる程度。子供のピーマン嫌いの原因とも。
油で熱することでその多くを無効化できる。
ホオズキアルカロイド妊娠中の女性が摂ると流産の恐れがあるが、そもそも食用にされない。
ただし民間療法として、鎮静剤に用いられる例は今なお存在する。
イヌホオズキ
(バカナス)
ソラニン黒いミニトマトのような果実をつける。
全体に毒があり、現在のところ有効活用はされない。
チョウセンアサガオトロパンアルカロイド倦怠感、めまい、幻覚など。
タバコニコチン嗜好品として用いられるが言うまでもなく有毒。
ベラドンナトロパンアルカロイド人間と犬猫に猛毒。他は問題ない例が多い。
ブルーベリーと誤食することが多い他、食した動物を食べることでの中毒が多い。
現代では鼻炎薬に用いられる。
マンドレイクアルカロイド幻覚幻聴嘔吐などをもたらす神経毒。
かつては鎮痛剤鎮静剤に用いられたが毒性が強いため現在は使用されない。