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飛行石/浮遊石
Levitation Stone(英)/Levistone(英)(/Floating Gemstone(英))

 福島鉄次著『沙漠の魔王』(1,949〜1,956年日本)に登場するものが恐らく初出。
ランプの魔人を元ネタとした香炉の魔王が持つ石で、魔王はこの飛行石の力をもって空を飛ぶとされます。

 宮崎駿監督『天空のラピュタ』(1,986年日本)に登場する「飛行石(Levitation Stone)」はこれを元ネタとしたもので、通常は空気に触れるとすぐに反応し輝きを失ってしまう鉱石、およびそれを何らかの方法で結晶化した青い宝石として描かれます。
涙滴型(水滴の形)と八面体'(ミョウバン型、ピラミッドを2つくっつけたような形)とがあり、文字通りの浮遊能力を持つほか、非接触や音声認識による機械類の操作デバイスとして機能します。

 この『天空の城ラピュタ』の原案を基に作られた『ふしぎの海のナディア』(1,990〜1,991年日本)には、「ブルーウォーター」という名で類似の宝石が登場します(正式名称は「トリス・メギストス(賢者の石)」)。
飛行石よりもシャープな八面体の青い宝石で、古代アトランティス人(M78星雲からやってきた宇宙人)が創ったオリハルコン製の光学コンピュータとされます。
石自身に飛行能力はありませんが、空飛ぶ乗り物などの起動キーとして使われるほか、動物と話せるようになる、1回限りで死者を蘇生できるなどの力を持ちます。

 『Final Fantasy』シリーズには、上記『ラピュタ』のものを元にしたと思われる「浮遊石(Levistone)」が登場します。
特に浮遊能力などはありませんが、同じ素材であるとされる「しずく石」の説明に「表面に紋章の書かれた 青い石 魔法の言葉に反応するそうな」とあり、涙滴型の飛行石を想起させます。

 その他にも採用例は多々見られますが、おおむね「などを浮上させる」「長距離移動に用いる」「素材として用いる質量のない石(Floating Gemstone)」といった扱いに大別されるようです。