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ケトルハット/ケトルヘルム/陣笠/の帽子
Kettle Hat(英)/Kettle Helmet(英)/Chapel de Fer(仏)/Cappello d'Arme(伊)/Eisenhut(独)/Jingasa(日)
1〜2kg

 12世紀のヨーロッパを起源とする兜で、麦わら帽子や教会の鐘のような形状をしたの帽子。
後の時代でも金銭的に苦しい騎士従者(下級兵士。≒足軽)、及び弓兵らの間などで使われ、広く戦場に普及していました。
基本的には前述のようなつば帽子のような形状なのですが、中にはつばが鼻の下あたりにあって帽子に視界を設けてあるものや、より防御力を高めるためにつばの下に顔全体を覆う格子がついているものなどもあります。
また、コイフアヴェンテイルを併用したりもします。

 これに相当するものとして、日本には陣笠というものがあります。
形状により2つに大別でき、1つはかさ地蔵などに出てくる円錐状のもの、もう1つは時代劇のお偉いさんが被っている、黒塗り紋入りの帽子のタイプです。
西洋のケトルハットに相当するのは後者で、その中でも鉄製のものです(通常は和紙を貼り合わせて塗料で塗り固める)。

 ケトルハットは当時の他の兜に比べれば防御能力は落ちますが、上方からの攻撃、つまり矢などに対しては他のそれらと遜色ないものでした。
つばが広いため、少しうつむけば降ってくる矢から顔を完全に守ることができました。
また視界も阻害しないので、弓兵には重宝されました。

 なおこのケトルハットは、現代でも使われています。
ジャングルなどの秘境に赴く探検家などが白いつば帽子を被っていますが、これは一見布製に見えて、実は金属でできた立派なケトルハットです。