[トップ][もどる]
深淵/アビス
Abyss(英)/Abîme(仏)/Abisso(伊)/Abgrund(独)

 旧約聖書の『創世記』に登場する古代ヘブライ語「Tehom」の訳語。
正しい意味は不明ですが、文脈より「原初の海」「混沌」「」「無」などと解釈されます。
ここに神がをもたらし、世界が生まれたとされます。

 語「Abyss」はギリシア語の「Abyssos」が語源。
これは「Bysso(最深部)」+「A-(ではない)」という語から成り、「底よりも更に深い場所」「底知れない場所」という意味を持ちます。
現代の英語Abyssもこの意味を受け、「奈落の底(地獄)」「海底の平らな場所」「裏の世界」という意味で用いられます。
ただ深いだけでなく、「広大」という意味合いも含む点に注意。

 ちなみに日本語訳の「深淵」とは「深い淵」のこと。
とは川の中にできた深い場所で、構造上水の流れがほとんどなく、プランクトンや魚などの生息地となっています。
よって深淵とはそこより深い場所となりますが、この場合は単に「深く平らな場所」という意味で捉えて良いでしょう。