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トーナメント
Tournament(英)/Tournoi(仏)/Torneo(伊)/Turnier(独)

ジョスト
Joust(英)/Joute(仏)/Giostra(伊)/Tjost(独)

 フランスを中心として中世西洋で行われた騎士同士の競技試合兼軍事演習。
試合ということで刃を潰した剣や木製のランスなどが用いられますが、当初は実戦と同じ武器が用いられていました。
900年代前半にはあったとも言われますが、現存する最古の記録は1,095年にトゥルネー(現ベルギー)で開かれたもの。
その時点で既にルールは固まっており、以後1,300年代中頃まで行われました。


ジョスト(Joste(古仏))
 騎士同士の一騎打ち。通常、3本勝負で行われます。
馬に乗って互いに突進しながら行うフェンシングのような競技。
初期はランスのみが用いられましたが、後に戦斧、剣、短剣なども用いられるように。

 元々は本大会の前夜および当日の朝に行われる前座試合でしたが、人気の高まりとともに後に単独で開催されることも。
一方で、上記の理由により騎士らがジョストのみで本大会に参加しなくなったり、本大会に参加しない者らを出場させて相手チームの騎士疲弊させる行為などの問題が発生したり、あまりに長引いて本大会を行う時間がなくなるなどの理由から、前座としての開催が中止されることもしばしば。


トゥルネイ(Tornei(古仏))
 トーナメントの主要競技。両チームが互い向かいに一列になって、一斉に行うジョストのような競技。
残った者同士で折り返し勝負をし、用意された3本の替えランスがなくなるまでこれを繰り返します。
運動会の騎馬戦で、競技場内を直進、往復しながら行うような感じと思っていただくとイメージしやすいでしょうか。
なお、この「ターン」を意味する古フランス語「Tornoiement(名詞)/Tornoier(動詞)」が「トーナメント」および「トゥルネイ」の語源となります。


メレ(Mêlée(仏))
 トゥルネイの後に行われる競技。「メレ(乱戦/近接戦)」は現代での呼称で、当時の呼称は特になし。
騎士同士の戦争のルールをそのまま持ち込んだような感じで、殺意を持ち込まない以外は実戦と同じ。
武器の採択は自由で、徒歩での戦闘も可。捕らえた敵を人質として、身代金を要求するなども行われました。
敗走を含めどちらか一方が全滅する。両軍が疲弊して戦闘不能になる、日が暮れるなどで競技終了となります。
現代で言うところの、サバイバルゲームがこれに近いと思って良いでしょう。


 これらをもってトーナメントは終了とし、その夜の晩餐にて両軍の最優秀騎士を表彰します。
賞品は金銭のほか、領地が与えられる場合もありました。