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織機
Loom(英)/Métier à Tisser(仏)/Telaio(伊)/Webstuhl(独)

 縦方向に張った糸に横糸を縫い通し、布やタペストリーを織る道具。
紀元前5,000年頃の中国の絹織機と、紀元前4,500年前の先王朝時代のエジプトの麻織機が現在確認されている最古のもの。
最初期のものを除いて縦糸には2本の横棒がついており、奇数本目と偶数本目を交互に前後させることで横糸を通しやすくしてあります。
語「Loom」は古英語で「道具」「キッチンツール」を意味する「Geloma」より。

 織機は大きく分けて、縦糸を高い所から垂らした「垂直織機(竪機)」、縦糸を地面と水平とした「水平織機(水平機)」、同様に斜めにした「傾斜織機(傾斜機)」に分けられます。
世界各地で同種の道具は開発、改良されていますが、特に進歩を遂げたのは中国のもので、それによる高品位の絹織物や細かな模様の入った布は、その名を冠した一大交易路「シルクロード」の主要品目でした。

 人力で布を織るこの「手織機」が長らく用いられてきましたが、1,785年には動力(※)を用いた「力織機」がイギリスで試作され、これ以降織物の生産効率が飛躍的に向上します。
中でも特筆すべきは1,801年のフランスで開発されたジャカード織機で、これはパンチカード(穴を開けた帯状の紙)で予め設定した模様を織り込むことができました。
このパンチカードは後に、コンピュータのプログラムを記述する媒体として転用されています。
水力、後に蒸気機関