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タペストリー(/タピストリー)/ゴブラン織
Tapestry(英)/Tapisserie(仏)/Arazzo(伊)/Bildwirkerei(独)

 綴織で作られた、主に絵画などを模した装飾用一枚布
綴織自体は1,580年頃のエジプトで既にコプト織として存在しており、タペストリーは遅くともヘレニズム時代(紀元前323〜紀元前30年頃)には作られていたと見られています。

 綴織とは平織(縦糸と横糸を1本ずつ交差させる、一般的な織り方)の一種。
太い横糸で縦糸を見えなくしてあるのが特徴で、色ごとに別々の横糸を用いる(色の境界が来たらそこで折り返す)点で異なります。
縦糸を隠すように爪で織り込んでいくのが大変な手間で、手作業のものは1枚仕上げるのに年単位の時間を要します。

 タペストリーは14世紀初頭のドイツ、スイスから隆盛を見せ始め、14〜15世紀のフランスのアラス、16〜17世紀のフランドル(オランダ南部、ベルギー西部、フランス北部)で最盛期を迎えます。
タペストリーは断熱材としても優秀だったため、絵画以上に室内装飾用品として人気がありました。

 アラスのタペストリーは金糸を取り出す目的でその多くがフランス革命時(1,789〜1,794年)に焼失してしまいましたが、その後も産地を問わず、上質なタペストリーの代名詞として「アラス」の語が用いられています。
イタリア語の「アラッツォ」も、この「アラス」から来ています。