時計 Clock(英)/Horloge(仏)/Orologio(伊)/Uhr(独) 腕時計 Watch(英)/Montre(仏)/Orologio da Polso(伊)/Armbanduhr(独) |
手法 | 発祥時期と地域 | 補記 | |
紀元前2,000年頃 シュメール | 60進法採用。 | ||
日時計 | 紀元前3,000年頃 エジプト | オベリスク(石柱)の影から現在時刻を判断。 この際に日中を12時間と定める。 | |
紀元前1,500年頃 エジプト | 目盛りや文字盤のついた日時計。 どの季節でも使えるよう、文字盤が工夫されている。 | ||
紀元前140〜 紀元前100年頃 ギリシア | 緯度に関係なく使えるように。 どのようにして実現したかは不明。 | ||
1,371年 シリア | それまで垂直だった棒の傾きを地軸に合わせることで、季節に関係なく使えるように。 | ||
水時計 (漏刻) | 紀元前1,600年頃 エジプト | 水の落下時間を利用したタイマー。 日時計と違い夜間でも使えるが、落下速度が一定でない、温度により誤差が大きいなどの問題も。 | |
紀元前387〜 紀元前347年頃 ギリシア | 受け皿の水を利用した目覚まし時計。 溢れた水により押し出された金属球が音を鳴らすものという説と、水の圧力により笛が鳴るものという2説あり。 | ||
550年頃 中国 | 圧力調整用のタンクを備えた水時計。 これにより凍結を除き、季節に関係なく水の速度を一定にできる。 | ||
610年頃 中国 | 竿秤を用いた水時計。 これにより昼夜(温度)の区別なく使え、圧力調整用のタンクも不要に。 | ||
976年 中国 | 水銀を用いた水時計。 これにより凍結なく使えるように。 | ||
火時計 (燃焼時計) | 香時計 | 紀元前2,000年頃? 6世紀頃 中国 | 線香の燃焼時間を利用したタイマー。 大掛かりなものでは、横倒しにした線香に一定間隔で鉄球つきの糸をひっかけ、時間が来ると糸が焼き切れて音が鳴るようにしたものも。 そのタイプのものが近江神宮にあり、紀元前2,000年頃のものとされるが真偽は不明。 6世紀頃のものは正倉院に残されており、こちらは計りたい時間ごとに作られた型で灰に溝を作り、そこに抹香を注いで点火するというもの。 |
蝋燭時計 | 紀元前1,400年? 520年 中国 | 規格化した蝋燭の燃焼時間を利用したタイマー。側面に目盛りが刻まれている。 紀元前1,400年にあったという記述もあるが、出典不明。520年は現存する最古の記述。 夜間に時間を知る手軽な手段として重宝されたが、風に弱いという問題が。 | |
1,206年 ジャズィーラ地方 (トルコ北西 〜シリア北東) | おもりを用いて蝋燭を上に押し上げる機構を用いた蝋燭時計。 芯を通す穴の空いた蓋に向かって下から押し出す形となっており、普通に燃焼させるのと違って水平に溶けていくため誤差が少なく、蝋燭時計としては極めて正確となる。 また、そのおもりの位置が文字盤の回転と連動されており、時を読むのが容易だった。 | ||
砂時計 | 紀元前150年頃 エジプト | 落下物を砂に替えた水時計。水のように温度による誤差や凍結の心配がない。 ただし知識的、技術的な観点からの推測であり、この頃に作られたという証拠はない。 | |
335〜350年 ギリシア | 現代の砂時計と同じ型の何かが描かれた絵画あり。 実際に砂時計が使われていたかどうかは不明。 | ||
8世紀 フランス | 砂時計が使われていたとされるが明確な証拠はなし。 | ||
11世紀 | 航海の際に砂時計が用いられ始めたとされるが同じく証拠なし。 | ||
1,338年 イタリア | 砂時計と明示された最古の絵画。 | ||
機械式時計 | 8世紀 中国 | 水時計に脱進機(一定時間ごとに歯車を回転させる装置)を使用。 | |
996年頃 ドイツ | 後のローマ教皇が世界初の機械式時計を開発したという伝説が。 | ||
11世紀 スペイン | 歯車を使用した世界初の時計。 | ||
14世紀初頭 イタリア | おもりが下がる力で歯車を回す、世界初の時計。 詳しい設計図が1,364年に書かれ、以後このタイプの時計が普及。 | ||
15世紀初頭 ヨーロッパ | 世界初のゼンマイ式時計。時計が携行可能に。 現存する最古のものは1,430年頃のドイツ製。 | ||
1,736年 イギリス | 揺れに強く誤差が少ない携行可能なゼンマイ式時計(クロノメーター)。航海用。 誤差は1年で30秒。 | ||
振り子時計 | 1,656年 オランダ | 振り子が往復する時間は一定であるというガリレオ・ガリレイの理論(1,583年)を採用。 地震などの揺れに弱いが、当時としては驚異的な正確さを誇る(開発当初で1日に数分)。 | |
1,720年代 イギリス | 振り子に熱膨張の少ない金属を用い、夏場に大きかった誤差を修正。 これにより誤差が1週間で数秒に。 | ||
近代の時計 | クォーツ時計 | 1,927年 アメリカ | 水晶に交流電圧をかけると一定の周期で振動する原理を利用した時計。 誤差は1年で数秒〜6分。現在最も一般的な時計。 |
原子時計 | 1,949年 アメリカ | その原子に対応した周波数の電波を当てると一定周期で高エネルギー状態に移行する。 これがn回繰り返されたら1秒と定めて時間を計測する。 誤差は現在一般的なセシウム時計で3,000年〜1億年に1秒。 2,014年に開発されたストロンチウム時計で50億年に1秒。理論上は300億年に1秒まで可。 また、同2,014年に腕時計型のセシウム時計の試作品が完成。これの誤差は1,000年に1秒。 | |
光格子時計 | 2,015年 日本 | 従来の原子時計は室温(が発する電磁波)により誤差が生じていたので、絶対零度付近にまで冷やすことでまずそれを解消。 ストロンチウム原子が吸収する光の量によって時間を定義するが、この際卵パックのような格子の中に納められた100万個のそれらの平均を取ることで誤差を160億年に1秒としている。 | |
電波時計 | 1,985年 ドイツ | 原子時計を基準とし、その情報をクォーツ時計に発信して時刻の修正を行うシステム。 誤差の修正を他人が知らない間にやってくれるようなもの。 都度修正するのでどこまで行っても誤差は0。時差やサマータイムや閏秒にも対応可能。 |