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クリノリン
Crinoline(英)/Crinolina(伊)/Crinoline(仏)/Krinoline(独)

 1,830年頃に作られた、馬の毛を織り込んで硬くしたペチコート用の木綿、または
転じて、1,850年頃に開発された、スカートを成形するための骨組みのことを現在までこう呼びます。
なおクリノリンとは、フランス語で「Crin(馬の尾の毛)」の「Lin()」の意。

 クリノリンは、大きさの異なる複数の輪(金属、またはクジラのヒゲ製)を細長い布で連結してあるような構造をしています。
中にはスカートのように全面に生地が張ってあるものもあり、さしずめちょうちんの下部を除いたような構造です。
なのでしゃがんだり座ったりする動作は特に問題ないのですが、それでも転びやすい、ぶつかって物を破損しやすい、暖炉が燃え移って火だるまになる、といった事故は多発していたようで、当時は社会問題にもなりました。

 クリノリンは1,850年代末にその大きさが最大になり、1,864年には後ろだけ膨らみを残したり、単純な輪ではなくてスカートを自然な形に成形するような形状のものも使われるようになりました。
今日ではクリノリンは、その輪をプラスチックやナイロンといった素材に変え、結婚式などの場で用いられ続けています。