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ペチコート/ペティコート
Petticoat(英)/Underskirt(英)/Jupon(仏)/Sottogonna(伊)/Unterrock(独)
ハーフスリップ
Waist Slip(英)/Half Slip(米)/Jupon Discret(仏)/Mezzo Slittamento(伊)/Halbrock(独)

 ペチコートは本来、16世紀以降のヨーロッパにおいて腰から下のみのスカート全般を指す言葉。
フランス語で「小さい」を意味する「Petit」と、英語で「覆い」を意味する「Coat」より。
当時は上下一体型のドレスが一般的で、このタイプのスカートはドレスの下に着込んで用いられるケースが多かったため、下着として一般に認知されるようになりました。

 下着としてのペチコートはなどの摩擦の少ない生地で作られ、スカートとの摩擦低減の他、スカートの成型やボリューム調整を目的として用いられました。
そのため布を複数重ねてボリュームを増やしたものや、クジラのヒゲを用いて骨組みとしたものなどもありました。

 ペチコートは第二次世界大戦(1,939年〜1945年)の布地不足で一旦その姿を消しますが、その後摩擦低減のみを目的としたシンプルなものが再び姿を見せるようになります。これは日本では一般に、ハーフスリップと呼んで区別されます。
 20世紀終盤薄手のスカートから下着を見えなくする用途(例えば夏用セーラー服の下に着る黒ハーフスリップのような)でも用いられることのあったハーフスリップですが、スカートの裏地が一般的になるにつれ、今日ではスリップやシュミーズ(ラン型スリップ)と共にその姿を消しています。
しかし一方で、豪奢なドレスを着る際のかさ増しとしてのペチコートは今日でも用いられています。