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暗黒大陸
Dark Continent(英)/Continent Noir(仏)/Continente Nero(伊)/Dunklen Kontinent(独)

 「Dark」には「観測できない」の意味があり、すなわちその語を使う者らから見て充分な調査の手が入っていない大陸のこと。
調査されていないというだけで、その大陸の人類の有無や文明の存在、そのレベルなどは一切問われません。
しかし単に「未開の地」を指して暗黒大陸と呼称する例もしばしば見受けられます。
また大陸や地理以外でも、調査の手の及んでいない分野などに対して語が用いられることがあります。

 語が実際に用いられたのは1,874年に探索が終了するまでのアフリカ大陸ですが、現在においてなおこの名で呼ばれる例がしばしば見受けられます。
調査隊を阻んだ主な要因はサハラ砂漠とマラリアで、大航海時代の終了が17世紀中頃ということを考えるとその困難のほどがうかがえます。

 暗黒大陸が「未開の地」の意味で捉えられるようになったのは当時のヨーロッパから見て文明レベルが著しく劣っていたように見えたこと、そして現在に至るまで他の国々ほどの発展を遂げていないことなどが理由としてあります。
しかし決して文明がなかったわけではなく、周辺地域のものを取り入れた精緻な宗教観を持ち合わせていたり、古代から高度な建造物を作るなど、当時としては充分なレベルの文明があったことが伺えます。
また現在において文明レベルが劣っているのは、19世紀に大量の人間が奴隷として連れ出されたことが原因としてあります。


 なお混同しやすい言葉に「ブラックアフリカ」というものがありますが、こちらはアフリカ大陸の中で黒人が多く居住する地域を指すものであって、暗黒大陸とは関係ありません。
一方で白人が多く居住する地域は「ホワイトアフリカ」と呼ばれるので、併せて憶えておくと間違えることはないでしょう。