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リア・ファル/運命の石/戴冠
Lia Fáil(アイルランドゲール)/Stone of Fal(英)/Pierre de Fal(仏)/Pietra di Fal(伊)/Stein von Fal(独)
Stone of Destiny(英)/Pierre du Destin(仏)/Pietra del Destino(伊)/Stein des Schicksals(独)
スクーンの石/運命の石/戴冠
Lia Fáil(アイルランドゲール)
Stone of Scone(英)/Pierre de Scone(仏)/Pietra di Scone(伊)/Stein von Scone(独)
Stone of Destiny(英)/Pierre du Destin(仏)/Pietra del Destino(伊)/Stein des Schicksals(独)

 ケルト神話に登場するダーナ神族の4つの宝の1つ。
ファリアスの町(Failias)からもたらされた高さ130cm程度の石柱で、今日までタラの丘に現存しています。
この石は真に王たる者が踏むと呻き鳴くと言われ、代々の王の戴冠の儀に用いられました。このためタラの丘は、「王の丘」とも呼ばれます。

 またこれとは別に、リア・ファルと呼ばれている石がもう1つ存在します。
一般に「スクーンの石」と呼ばれているもので、66x41x28cm、152kgのレンガのような形をした直方体の砂岩がそれです。
これは聖ヤコブが枕石としていたとも言われているもので、イギリスの歴史には500年頃、スコット人がアイルランドからスコットランド西部に移住し、ダルリアタ王国(Dal Riata)を建設するその折に持ち込んだものとして登場します。
以後、代々のスコットランド王家の戴冠式に用いられ、846年に首都がスクーンに移されて以降、この石は「スクーンの石」と呼ばれるようになります。

 このスクーンの石は1,296年にイングランドに奪い去られ、戴冠椅子にはめ込まれてウェストミンスター寺院に置かれることとなります。
その後代々のイングランド王家の戴冠式に用いられるようになりましたが、1,996年にスコットランドに返還され、現在はエディンバラ城に置かれています。

 500年より前の石の歴史は分かりませんが、このスクーンの石と先の石柱とは、元は1つであったとする説も存在します。