[トップ][もどる]
電気
Electricity(英)/Électricité(仏)/Elettricità(伊)/Elektrizität(独)

 電荷の移動によって生じる現象の総称。電気伝導(≒電流)、放電(、静電気など)、電磁場(電磁石など)、電磁誘導(IHなど)など。
通常「電気」というと、これらの内の電気伝導放電を指して用いることが多いでしょう。
以下本項ではそれについて説明していきます。


 電気伝導は電子や陽子、イオンといった電荷を持つ粒子(電荷担体/荷電粒子)が移動することによって発生します。
荷電粒子の移動、およびその物理量を「電流」、荷電粒子を押し出す力を「電圧」とそれぞれ呼称します。
電流はそれぞれの極(スタート地点とゴール地点)に電位差がある時に発生し、その電位差の大きさが電圧となります(厳密には少し違います)。
電流の大きさは水の量、電位差は高低差、そしてそれによって生じる水の勢いが電圧という例えがよく用いられます。

 ところてんで例えた場合、ところてんの物質量が電流の大きさ、押し出す強さが電圧となります。
なお電気の伝わる速度はほぼ光速とされますが、これはところてんを押した瞬間にもう一端が出てくるのと同義となります。
荷電粒子はそれ自体が光速で移動するわけではなく、先にある荷電粒子を押し出していった結果、終端に結果が及ぶことを指して「電気が伝わった」とするからです。


 電圧が高くなると、本来電流が流れないはずの物質にも電流が流れるようになります(絶縁破壊)。
つまりはゴム手袋や導線のビニール被覆などが絶縁体として役を為さなくなるわけですが、その際に起こる現象を「放電」と呼びます。
一般によく知られるのは「空気」という絶縁体を破壊することで発生する「火花放電」であり、や静電気の火花がこれにあたります。

 濡れていない状態の人体の皮膚で電気に触れた場合、50A以上の電流で死亡の可能性が出てきます。
一方電圧に関しては、人体という絶縁体を破壊して心臓など重要な臓器にダメージを与えるほどに高い場合は同様に死亡の可能性が出てきます。また、電圧が高いほど火傷の可能性が高まります。
なお静電気は数千〜数万Vの電圧がありますが、電流をほとんど持っていないためにそれで死に至るケースは極めて稀です。


 余談ですが、電池に蓄積された電荷を失う現象も「放電」と呼称します。
またこちらは俗称ですが、電気を用いた照明器具による発光を「電気」と一般に呼びます。