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ドルイド
Druid(英)/Druide(仏)/Druido(伊)/Druide(独)

 ドルイド教(古代ケルト人の信仰)の神官。「の樹の賢者」という意味の「Daru-vid」が語源。
神官といっても、その他に司法や行政、医療や預言まで、ありとあらゆる職務を兼任していました。

 ドルイドになれば兵役徴税免れるとあって、志願者は後を絶ちませんでした。
しかし膨大な教義を口伝のみ(秘匿するため)で憶えなければならず、長ければ20年の修行を要する者もいたそうです。
例えるなら、弁護士になるために六法全書を憶えるのを、落語家の要領で師匠から聴き伝えられるようなものでしょうか。

 後にこの教義内容が更に肥大化するにつれ、とても1人が一生では憶えきれるものではなくなり、役職がドルイド、ウァテス、バルドへと役割分担されることとなります。
ドルイドは神学や法律を担当し、神官や立法者としての役割を。
ウァテスは自然科学、天文学などの科学的要素を担当し、ドルイドの補佐的な役割を。
バルドは伝承や神話、歴史などを琴(ロット)の調べに乗せて謡う人で、後の吟遊詩人(バード)の祖となります。

 彼らケルト人の中には王はいましたが、実質的な権力はこのドルイドが握っています。
次の王を決定する際には年老いた王を殺してその血で占うなど、王は形式だけのものでした。
そのため、ドルイドの長を決定する際にも波乱がありました。
ドルイドの長は世襲制ではなく、先代が死亡した際に最も能力の高い者から選ばれます。
能力が拮抗していた場合は選挙や、場合によっては武力が用いられました。