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ウルフバート/ウルフバルト
Ulfberht(フランク)
91cm、1,200g

 850〜1,050年頃のバイキングらによって用いられていたとされる長剣。本物とされるものが、現在までに数本見つかっています。
外観は一般的なバイキングソードですが、不純物のほとんどない鋼鉄で作られており、当時の技術で絶対に不可能とは言わないまでもそれに近い甚大な労力を必要とし、オーパーツレベルの武器とされます。
名の由来は刀身の根元近くに刻まれているラテン文字によるもので、フランク風の響きを持つものの意味は不明。刀工または工房の名と推測されています。

 かつての成分分析ではインド産のが用いられていると考えられてきましたが、マンガンと砒素が含まれることから近年ではヨーロッパのであるとされています。
またその原産地周辺には当時武器製作で知られていた修道院があり、そこ(現ドイツのフランクフルト北部タウヌス地方)で作られたものではないかという方向で現在研究が進められています(2,015年現在)。

 ウルフバートは当時では他に類を見ない鋼鉄の武具で、チェインメイルや盾を容易に貫くほどの攻撃力を持っていました。
その性能や本数の少なさから、恐らくは長や精鋭戦士によって用いられたと考えられています。