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ミノタウロス
Minōtauros(希)/Minotaurus(ラテン)/Minotaur(英)/Minotaure(仏)/Minotauro(伊)/Minotauros(独)

 ギリシア神話に登場する、牛の頭を持った巨人。
正式な名前は「アステリオス」なのですが、「ミノス王の牛」を意味する「ミノタウロス」が通例。

 供物をごまかし海神ポセイドンの怒りに触れたミノス王は、妻のパシパエに呪いをかけられます。
そしてそのパシパエが牡牛との間に設けた子供が、このミノタウロスとされています。
 成長に伴い凶暴になっていくミノタウロスにやがてミノス王は手に負えなくなり、彼をラビュリントスに閉じ込めてしまいます。
以後食料として毎年7人ずつの少年少女がこのラビュリントスに送り込まれていましたが、その中に混じったテセウスによって、ミノタウロスは退治されました。

 ちなみにラビュリントスは「両刃の斧」という意味の「ラブリュス」が語源で、現在の「ラビリンス(迷宮)」の語源となっています。
ミノタウロスが斧を持っている姿で描かれるのも、これが理由です。

 このミノタウロスは、クレタ島の牛祭りが起源という説があります。
牛祭りは少年少女が牡牛の突進をよけるというもので、現在の牛追いや闘牛に似ています。
この際死傷者が出ることも珍しくなく、ミノタウロスはその場で舞を舞う、牛の面を被った祭司が元ではないかと言われています。

 なおこのミノタウロスとは別に、日本にも牛と人間の混合妖怪が存在します。
「件(くだん)」というもので、こちらは頭が人間、体が牛という姿をしています。