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サイクロプス/キュクロープス
Kýklôps(希)/Cyclops(英)/Cyclope(仏)/Ciclope(伊)/Kyklop(独)
タイタン/ティタン
Titán(希)/Titan(英)/Titan(仏)/Titano(伊)/Titan(独)

 サイクロプス、タイタン、ヘカトンケイルは、いずれもギリシア神話に登場する、天空神ウラノスと大地の女神ガイアを両親に持つ神族。
中でも、タイタン族の長にして時の神クロノスとその妹レアの子は、後の主神ゼウス。他にもその兄弟として、ハデス、ポセイドン、ヘラ、デメテル、ヘスティアなど。
 また、ギリシア神話に登場する巨人族はこれらの他にギガース族というのもあるのですが、ウラノスから流れた血より発生したとして、少々生い立ちが異なります。

 サイクロプスは一つ目、ヘカトンケイルは100の腕と50の頭を持つ巨人族とされ、美形のタイタン族と比べあまりに醜悪で、それを理由に父ウラノスよってタルタロス(奈落)に幽閉されてしまいます。
これを不服とした母ガイアはタイタン族のクロノスを使い、夫ウラノスを去勢させます。
この時流れた血が先のギガース族となり、海に打ち捨てられた性器からは美の女神アフロディテが誕生します。
 ちなみに、サイクロプス族とヘカトンケイル族はこの時クロノスに協力したのですが、今度はそのクロノスによって、再びタルタロスに幽閉されることとなります。

 クロノスは父ウラノスの「お前も自分の子に王座を奪われる」という予言を恐れ、レアとの間にできた子を次々と呑みこんでしまいます。
母レアによって唯一難を逃れたゼウスは、後にサイクロプス族、ヘカトンケイル族を味方につけ、タイタン族とギガース族を滅ぼし、神々の王となります。

 サイクロプスは「丸い目」という意味で、正しくはキュクロープス。
ブロンテス(Bróntes:雷鳴)、アルゲス(Árges:落雷)、ステロペス(Sterópes:雷光)などにまつわる名前がつけられていることから、雷神だったと思われます。
建築技術や、鍛治の技に優れていました。
しかし現在ではそれらの面影はなく、ただの低知能な巨人という位置付けになっています。

 タイタンはギリシアの重装歩兵をモデルにしたと思われる姿が今日まで残っており、戦上手な巨人として描かれます。