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シードル
Cider(英)/Cidre(仏)/Sidro(伊)/Apfel(schaum)wein(独※)/Zider(独)
「リンゴ(泡)ワイン」、意訳で「リンゴ(発泡)酒」の意。

ペリー
Perry(英)/Poiré(仏)/Poiré(伊)/Perry(独)
ペアサイダー(「ナシのシードル」の意)
Pear Cider(英)

 リンゴ亜連(リンゴにナシを含む古い分類)の果実酒。ワインのリンゴ版。
シードルは一般に「リンゴ酒」を指し、広義でナシ酒も含みますが通常そちらは「ペリー」として区別されます。
製法自体は同じで、アルコール度数も同じ4〜8%と低め。安定的に確保できることと併せて、危険な生水の代わりとして安価な飲料水として飲まれていました。
以下、語「シードル」はリンゴ酒のみを指して説明します。

 最古のリンゴは紀元前4,000年頃のカザフスタンとされており、古代ギリシア・ローマ時代(紀元前1,450年頃〜700年前後)にヨーロッパにもたらされたとされています。醸造の起源については不明。
ナシも古代ギリシア・ローマ時代のものがヨーロッパ最古の記録で、ペリーについては大プリニウスの『博物誌』(70年以降〜77年)に登場するのが初出。

 実を砕いたジュースを放置するだけで作ることができ、この際炭酸ガスが発生するので意図的に抜かない限りは発泡酒として流通します。
炭酸を含むため、短期間での使いきりと圧力の関係から小瓶売りが基本でした。
なお北米では俗に無果汁の炭酸飲料(レモネード/ラムネ)を同様に「サイダー」として呼ぶことがあり、それが1,800年代後半に日本に入ってきたことで以来日本ではサイダーというとこちらを指します。

 シードルを蒸留したものとして「カルヴァドス」が知られますが、これはフランス、ノルマンディー地方で作られたもののみの呼称であり、分類としては「アップル・ブランデー」が正。