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ジャイナ教
Jainism(英)/Jaïnisme(仏)/Giainismo(伊)/Jainismus(独)

 バラモン教の身分制度に反発し、そこから派生し生まれたインドの宗教。
バラモン教の身分制度に反発した反動からか、ジャイナ教では「相対主義」を良しとしています。
すなわち身分や各人の見解は絶対的なものではなく、それぞれの視点や価値観を容認するという立場を取っています。
成立は紀元前500年頃で、開祖はクシャトリア階級(王族)出身のヴァルダマーナ。ただし一般的には「マハーヴィーラ(偉大な勇者)」の俗称で呼ばれます。

 「生き物を傷つけない」「何も持たない」を厳格実践している宗教で、獣に対しての自衛や、虫を誤って吸い込むことさえ罪とされます。
この「無所有」を厳格に順守するかどうかで「裸行派(ディガンバラ)」と「白衣派(シュヴーターンバラ)」とに1世紀頃分離し、その後現在まで至ります。
「全く何も持たない」か「着衣や道具など最低限のものを認める」かという違いはありますが、それ以外の点で両者にほとんど違いはありません。

 その厳格な教義からか、同時期にバラモン教から派生した仏教のようにはその勢力を拡大せず、インド国内のみで現在も細々と活動を続けています(全人口の0.5%未満)。
しかしその反面、信者内での結束が非常に強いのが特徴的となっています。