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隕鉄刀
Meteoritic( Iron) Sword(英)/Épée Météorique(仏)/Spada Meteoritica(伊)/Meteoritenschwert(独)

 隕鉄(金属質の隕石)を材料とした刀剣。
隕鉄の中には何万年もかけてゆっくり冷やされることで初めて生成されるなど、事実上人工的には作り出せないものもある上、それらは大抵割れやすいため刀工にはそれ相応の技術が要求されます。
希少な素材、高度な技術に加え完成した刀剣は独特の紋様を持つため、これら条件を満たした刀剣の多くは魔力を秘めた秘宝などとされ、国家権力者に献上されたり博物館行きとなっています。
なお割れやすいということから伺えるように、武器としての実用性はありません。

 正式な一般名は2,018年現在で未定で、隕鉄刀という呼び名も単に「隕鉄製の刀」の意。
よく用いられる名称に「流星刀」というものがありますが、これは岡吉国宗が製作した計4本の刀の総称。
その他有名な銘も含め詳細は下記。
  流星刀…1,898年 岡吉国宗作、長刀2本、短刀2本の計4本の刀。40%を混合。
隕星剣…1,992年 藤安正博作、40cm程度の両刃短剣。混ぜ物の詳細不明。
純粋隕鉄刀…1,996年 高橋大喜作、小刀程度の短刀。隕鉄のみを使用。
天鉄刀
Sword of Heaven
…2,017年 吉原義人作、長刀。砂鉄に隕鉄の粉を混ぜて作製。

 隕鉄を加工した刀剣は古今東西に存在し、日本の流星刀も元はロシア皇帝アレクサンドル1世が所有するそれに憧れた日本の政治家、榎本武揚が製作依頼を出したもの。
実は一般人レベルでも充分な量の隕鉄を持ち込めば製作依頼は可能ですが、高価な隕鉄とそれを加工できるだけの一流の刀工を揃える必要があるため、やはりそれなりに高額になります。


 を利用し始めた当初の人類も隕鉄を加工するという手法に頼っていましたが、当時は小さな装身具を作るのが限界。
矢じりを作るとしても石(特に黒曜石)や骨を加工した方が容易かつ鋭利で、製の武器は製鉄技術の登場を待つことになります。