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アーメット
Armet(英)/Armet(仏)/Armet(独)
クローズヘルム
Close Helmet(英)/Geschlossener Helm(独)
2kg〜4kg

 15〜16世紀を通して主流だった兜で、バシネットを元にイタリアで開発されたと言われています。
イタリア、フランス、イギリスなど、ドイツを除くほぼヨーロッパ全域で用いられました(ドイツはサレットが主流)。

 頭部に非常に密着している(Close)のが特徴で、目および鼻の部分にはバシネットの流れを汲む可動式のバイザーがついています。
板金は最低でも首までしっかりと覆われており、ものによってはゴルジェの役割さえ兼ねているものも少なくありません。
なお必ずというわけではありませんが、頭頂部にトサカがついているものが多く見られるのもこの兜の特徴の1つです。
また、首の後ろにロンデル(Rondel)と呼ばれるシングルCD大のキノコ型の防護用プレートがついているものもあります。

 兜の究極形であるこのアーメットも、銃器の発達によってその意味を為さなくなります。
アーメットの終わりは同時に兜そのものの歴史にも一旦幕を閉じることとなるのですが、後にその銃器が更に発達して、大砲が実用のものとなった時、その砲弾の破片から頭部を保護するために、再び兜は使われるようになりました。