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クラーケン
Kraken(ノルウェー)

 ノルウェーやアイスランドの沖にいると言われる、巨大海洋生物。
島と間違えて上陸したらそのまま潜水、船員らが溺れてしまった。航海中に海が泡立ったら、それはクラーケンの現れる前兆だ。などの逸話が多数残されており、話によって大きさや特徴は実に様々です。
 上陸できるという特徴からクジラ説、海が泡立つということからカニを初めとした甲殻類説などもありますが、触手を持つ、墨を吐くなどの特徴から、タコやイカなどの頭足類の姿で語られることが最も多く、挿絵でもタコで描かれることが多いようです。

 現在有力な説では、恐らくダイオウイカを見た話が誇張されて作られた伝説であろうと言われています。
実際のダイオウイカは全長で7m〜17m程度、外套長(胴体部分の長さ)で2m〜4m程度で、バイキングらの主流だったロングシップ(〜20m程度)であれば、沈めることは可能と思われます。
一方タコについては、現在までに全長4m級のものが発見されています(※)。
オクトプス・ギガンテウス(Octopus Giganteus)という全長30mのタコの報告例もありますが、これは海洋生物の残骸から推測されたもので、しかもその後、「タコである」という報告自体が間違いであったとして撤回されています。

 なおノルウェー沿岸には無数の小島があり、これらをクラーケンと見なす傾向があったようです。
また、アイスランドの海域は海中火山活動の影響で水泡や海流の乱れ、また時に火山島なども見られ、この件もクラーケンの伝説を脚色する一端を担っていたようです。