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酒場/パブ/タバーン
Pub(英)/Pub(仏)/Pub(伊)/Pub(独)
Tavern(英)/Taverne(仏)/Taverna(伊)/Taverne(独)/Taferne(独)

酒場宿/イン
Inn(英)/Auberge(仏)/Locanda(伊)/Gaststätte(独)

 タバーンは「(木の板で作られた)小屋」を意味するラテン語の「Taberna」が語源。
その古代ローマでは屋内市場を指す言葉として用いられていましたが、それが古フランス語で「ワイン店」を指す言葉となり、現在の「居酒屋」という意味へと変遷します。なお英語では「宿屋」の意味も併せ持ちます。
ちなみに同じく上記ラテン語に由来するギリシア語に「Taverna」という語がありますが、こちらは「小料理屋」という意味に変遷しておりまた別のものとして扱われます。

 居酒屋としてのタバーンは人々の社交場としての特色が強く、後にこの語は「公共の家」を意味する「Public House」の略語となる「Pub」に置き換えられていきます。
パブは19世紀中頃に出来た比較的新しい言葉で、この語が世間に広く普及する一方で、古い味わいを出す目的でタバーンの語は今でも使われ続けています。
 なお今日の日本ではパブというと風俗の意味合いが強くなっていますが、むしろビアホール(Beer HallBeer HouseAlehouse)の雰囲気がこれに近いと思ってください。

 これら酒場には宿泊施設を持つものも存在しますが、通常、これは「イン」と呼んで区別します。
ローマ帝国が街道を整備していく中で生まれた旅人用の施設で、酒場と宿泊施設の他、厩舎併設するものも少なくありません。
 現代では「旅館」がこれに類する語で、ホテルなどにも、古い味わいを持たせる目的でつけられることもあります。